こんにちは、カツセマサヒコです。
1月はダラダラしたかったので、連載をお休みさせてもらいました。
このままフェードアウトできるかなと思ったんですけど、さっき編集長から「まだ?」って連絡が来たので、慌てて原稿を書き始めた次第です。ごめんなさい。
さて、2月といえば、美人で巨乳で面積すくなめな白ビキニを着た女の子に豆を投げつける行事のハイシーズンではありますが、もう一方で、バレンタインデーという男女を語るうえで非常に大切な存在が待ち受けていますね。
童貞のみなさん、心境はいかがですか?
え? そわそわしている? なんで? どうせもらえないのに??
僕も高校時代は3年間でチョコ1個ももらえなかった記憶があるのですが、ふつうに考えて3年あったらチョコ1個くらい道に落ちていてもおかしくない気がしませんか。逆に1個ももらわないの、難しくない? どうなってんのマジで。男子校・イズ・ワンダーランド。
そんな僕がチョコレートをもらうなら、どんなシチュエーションがいいか、今日は考えてみることにしました。レッツ・チョコレイト・ディスコ!
朝、目が覚めると、窓の外にプレゼントのようなものが置いてありました。
「なんだろう?」
窓を開けてプレゼントを手に取ると、それは薄さ・大きさから想定するに、バレンタインのチョコレートであることがわかりました。
「ああ、そうか、今日はその日だったな」
誰がどうやって2階の窓にまで登ってチョコを置いたのか見当もつかなかったのですが、窓の縁に取り付けられた謎のロープと、ちょっと型崩れしたチョコレートを交互に見て、人はいざとなるとなんでもやるんだなと思いました。
包装紙を丁寧に開けてみると、中から出てきたのはやはりチョコレートと意外にも女性モノの下着と手紙でした。
手紙には、
「前に好きだってツイートしてた、テロテロの下着も同封しておきます」
と書かれています。やれやれ、つぶやけば全て手元に届く時代。世の中は便利に、そして残酷になったものですね。
僕はチョコレートを食べながらパンティを鍵付きの引出しにしまうと、 「すてきなお手紙ありがとう」と添えて手紙に返信しました。紳士たるもの、パンティには言及せず、ただただスタイリッシュに手紙を返すべきなのです。
「これでよし、ようやく通学できる」
そう思って家を出ると、今度はポストから生チョコレートが、まるで便器から飛び出たウンコのごとくはみ出ているではありませんか。
「これは何事!?」
我が家の緊急事態に慌てる母親。
「ちょっとお父さん! お父さん起きて! ほら! チョコレートが! ポストに! ウンコみたく!」
この原稿が昼にアップされないことを願いながら、僕はその光景をただただ見守るしかありませんでした。なぜならこのウンコチョコレートも、僕を想って誰かがつくってくれたものだと察したからです。
「母さん、それは僕宛のものかもしれない」
「だってあなた…」
僕はポストいっぱいにはみだしたチョコレートを全て舐めつくしてから、家を出ました。
「やれやれ、今度こそ通学でき…」
「カツセくん!」
「……君は?」
家を出てわずか3メートルのところ、「高校で4番目にかわいいマドンナ」の名を欲しいままにしているワガママ・ボディ、くびれ先輩が、全裸にリボンを付けて立っていました。
「捕まりますよ。これを着てください」
僕は自分が着ていたコートをそっとくびれ先輩の肩にかけて通学しました。
くびれ先輩は「これでもダメなの……」と言いながら泣き崩れていましたが、僕は紳士すぎたので彼女を抱いてすぐさま3メートル戻って実家の自分の部屋で朝からくびれ先輩ののっちやかしゆかをあーちゃんにすることはできなかったのです。
「くびれ先輩、許してください。僕はそういう人間なのです」
その後も、校舎に入れば大体は全裸にリボンでいる女子ばかりだった共学ならではのバレンタインでしたが、僕は全て紳士な対応で切り抜けつつ、チョコレートで腹を満たすことになりました。
共学のバレンタインって、大変なんですね。
それでは、今回はこのへんで。第9回でお会いしましょう。
みなさんが明日もちょっぴりえっちですてきな青春時代を過ごせますように。
■アーカイブ■
【カツセマサヒコ連載】第1回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第2回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第3回「大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第4回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第5回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第6回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
【カツセマサヒコ連載】第7回『大切じゃないことは全てポエムが教えてくれた』
■カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋する妄想クリスマス』
第1話 カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋する妄想クリスマス』恋は坂道を下るスピードで
第2話 カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋する妄想クリスマス』通じる気持ちと元カレの影
第3話 カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋する妄想クリスマス』第3話 元カレの出現と途絶えた連絡
第4話 カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋する妄想クリスマス』第4話 ハッピークリスマス
■ライタープロフィール
カツセマサヒコ
下北沢の編集プロダクション・プレスラボのライター/編集者。
1986年東京生まれ。明治大学を卒業後、2009年より大手印刷会社の総務部にて勤務。趣味でブログを書いていたところをプレスラボに拾われ、2014年7月より現職。
趣味はtwitterでのふぁぼ集めとスマホの充電。
Twitter@katsuse_m