こんにちは! MTRL編集部です!
クリスマスまであと4日! みなさんクリスマスに向けて準備はできていますか? ディナーを予約したり、恋人にプレゼントを買ったり……え? できてない? そもそも予定がない? オーマイホーリーナイト。……でも大丈夫! そんな方々のためにMTRLは妄想激甘企画をお届け中!
前回に引き続き、妄想ツイートで話題のさえりさん(@N908Sa)とカツセマサヒコさん(@katsuse_m)に、「大学生がクリスマスまでに付き合うなら、どんなシチュエーションがいい……!?」という妄想 を現実のものにしていきます!
加速していくお二人の妄想ワールドを、存分にお楽しみください!
人見知り女子のゆか。気乗りしない鍋パーティに出向くと、そこにはさっきカフェで偶然あった甘党男子のちひろが……! 好きな食べ物や音楽、嫌いだった教科、よく読んでいる本。そして誰も知らないと思っていたマイナーな映画まで、二人の趣味はぴったり。びっくりするほどに気があった二人は、12月20日、渋谷でロケ地巡りをすることに決めました。
「はい、初デートきた。最高。前日からどの服着ようかな? って悩んじゃう初デート感、最高」
「初デートはアレだな、彼女が『白線のうえだけ歩くゲーム』とか『縁石の上だけ歩くゲーム』とかしててほしい。で、彼女がバランス崩さないように彼が見守ってるとか、そういう構図がいい。」
「いい。で、買い物とか一緒に行って、話ちょー盛り上がるんだけど、ふとした沈黙にお互いのことを意識しちゃったりとかして、『なんかこの人と一緒にいるの楽しいなぁ』って少し思っちゃうやつ」
「で、『あっ、だめだめ、まだただの友達なんだから……。って“まだ”ってなに!?!? わたしのばか!?!? まだってなに!?!? 』とかちょっと心の中で葛藤したりしながらも冷静装ってデートするやつでしょ?」
「そのテンションなに?」
「じゃあ男側も『やば、普通にツボすぎる…ちょっと抜けてるところとか、それでいて好きなものはきちんとあるところとか最高だろ…てかさっきからいい匂いさせすぎじゃね!? なんなんこれ!? 誘ってる!? おれいま、誘われてる!?』 とかそういうこと思っててほしい」
「いや、そんな好都合な話ある?」
「え、そこは妄想だからよくない? いまさらそこにツッコミいれる??」
「でもあとはアレだな、それでも普通にうまくいくわけなくて、そのデートの様子を元カレが目撃するとか、彼女が実はそのロケ地に行ったことあっておセンチな気分になるとか、そういう一悶着ほしい」
「いやいらなくない? 妄想ぐらい終始ハッピーでよくない?」
「は!? そんなハンパな気持ちで妄想やってんの!? 妄想こそリアリティ大事にするところでしょ!」
「うるさいな。もうなんでもいい。いってみよー!」
【登場人物】
主人公 ちひろ:やさしい性格の甘党男子。被害妄想が強め。
ヒロイン ゆか:人見知りだけど、打ち解けると無邪気になる女子。出会いはほしいけど合コンとか紹介はちょっと苦手なタイプ。
好きなもの、嫌いなもの、何から何まで不思議なほど気が合う二人。「次は二人の好きな映画のロケ地巡りに行こう」と約束してからというもの、ふたりは欠かさずLINEのやりとりをしていました。
——デート当日。待ち合わせは渋谷。
ゆか:「ごめんね、待った?」
ちひろ:「ううん。今来たところ」
こんな定番のやりとりではじまった二人のデートは、会うのが2度目とは思えないほどに終始大盛り上がり。「ここが○○のシーンの舞台なんだって」「ここって○○が走っていくところだよね?」と二人の会話は止まることがありません。
ちひろ:「ていうか……、さっきからなにしてるの?」
ゆか:「なにって……。『白線の上だけ歩くゲーム』でしょ?」
少しおどけて言ってみせるゆか。かわいいなぁ、と内心思いながら、でもそれを声にだすことはしないちひろ。二人の距離はどんどん近づいていきます。
ちひろ:「……てか、なんか、うれしいかも」
ゆか:「え……?」
ちひろ:「いや、実際ちょっと緊張しててさ(笑)。もし上手に話せなかったらどうしよーって」
ゆか:「(緊張してたなんて…ちょっとかわいい…)わたしも。だからこんなに話せてうれしい」
ちひろ:「あ、見て。あそこでさ、主人公が『すきだー』って叫ぶんだよね」
ゆか:「え、そうなの!? 今まで何度もここにきてたのに、気づかなかったな……」
ちひろ:「よくここには来るの?」
ゆか:「あ……うん。前の彼がこのあたりに住んでて。よく来てたんだけど、気づかなかった。ここだったんだ……」
ほんの少し遠い目をする彼女。その様子を見ていると、ちひろの胸が少しざわつきました。ガタンゴトンと電車が通り過ぎ、一瞬の沈黙を経てちひろは思い切って質問しました。
ちひろ:「……その彼のこと、すきだったの?」
ゆか:「うん。当時はすっごく。私の一目惚れでね。結局フラれちゃったんだけどね……。あ、ねえ、あっちにもいこ」
「向けられた笑顔が少し痛々しい気がする……。まだ、好きなのかな」と心の中に広がるなんとも言えない想いを飲み込んで、ちひろはゆかの元へと走ります。
ロケ地巡りから戻ってきた後は、ショッピング。
ゆか:「絶対これが似合うよー」
ちひろ:「そう、かな?」
ゆか:「(やっぱり、かっこいい……。それにすごく話しやすい)」
ふたりの距離が少しずつ、本当に少しずつ近寄る甘い時間。
ゆか:「このネックレス、かわいいー!」
ちひろ:「(うわ、なんかシャンプーのいい匂いする……やば……)」
ゆか:「どした?」
ちひろ:「や、なんでもない!」
ちひろの心もどんどん彼女に傾いていきます。
——「もっと知りたい」。
そうお互いが願う頃、夜がやってきました。
ゆか:「くしゅん…」
ちひろ:「さむい……?」
ちひろ:「…ん」
ゆか:「(……!?)あっ、あっ、ありがと……!!」
ちひろ:「ううん。(引かれなくて、よかった……)」
ゆか:「マフラー……いい匂いする」
ちひろ:「えっ?」
ゆか:「えっ!? あっ!? なんでもない!」
ふたりの距離がぐんぐん近づく夜。デートの終わりに、彼らは出会ったカフェへと向かいます。
ちひろ:「今日の〜〜さ、めっちゃよかったよね」
ゆか:「わかる! わたし小さい頃ね……」
二人は幼いころの話も交わし合いました。子供のころから甘いものが好きだったこと。高校のころは勉強が苦手だったこと。話すことのなにもかもが新鮮で、それでいてどこか安心していられる空気感に、二人ともがお互いとの「未来」を予感していました。
——その時間にふたりが浸っていたころ、ゆかが席をたちます。
ゆか:「ちょっと、お手洗いいってくるね」
携帯:「ピロリん!」
見るつもりなどなくても、自然と視線は携帯へ。そこに書いてあったのは……
れん:「会いたい」
れん:「やっぱり忘れられない」
ちひろ:「え……この“れん”って、元彼……?」
今日の昼交わした会話が頭をよぎります。『一目惚れ』……? 『好きだったけど振られた』……? え、でも元彼だとしたら……? ヨリを、戻したがっている……? ちひろの胸がざわっと音を立てました。
……。
…。
「って感じだな」
「だからなんで!! 不穏に!! するの!!!!」
「いや、妄想はリアリティが必要だって言ったじゃん……」
「カツセさんの人生にはなにがあったの」
「あ、ベロチューのシーン入れるの忘れた」
「いらないから」
「次でいれていい?」
「却下。次はお互いの心が揺れるいいところなんだから」
ちひろの中に広がる不穏な空気。元彼と思われる人物からの連絡……。第3話、乞うご期待!
衣装協力 VANQUISH
ヴァンキッシュのチェスターコート2万6000円、タートルネックニット9500円、デニムパンツ1万7000円、マフラー4500円、トートバッグ1万円(すべてせーの)
撮影/Saru スタイリング/甲斐修平
モデル/奥谷知弘(ちひろ役)、河村友歌(ゆか役)
■アーカイブ
第4話 カツセマサヒコ×さえりさんの最強妄想ストーリー! 『恋するクリスマス』 ハッピークリスマス