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【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第3回<後編>Bella Dolce日野達也

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第3回<後編>Bella Dolce日野達也

Views 18 January 2016 (更新日:
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前回の対談はこちらからチェック!

【前回のおさらい】
大学進学のために上京するも、gircoのエザキさんに刺激を受け、美容師の道へと進んだ日野さん。アシスタント時から、作品撮りに重点を置き、ヘアメイクだけでなく、カメラと作品のレタッチにも力を注ぎ発信をし続けている。
そして、取材後の今月11日に日野さんはスタイリストデビュー。若手美容師の今後の戦略は何? キャリアが無視される時代ってどういうこと?

個性をしっかりだして、ホットペッパーに食われないようにしたいです

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木村直人(以下、木):今の立ち位置がアシスタントということですが、こういう好立地なところにサロンがあって、業界や同世代の美容師さんに対してのメッセージはありますか?

日野達也(以下、日):業界に対しては、やっぱりある種お堅いなとは思っています。カリスマの方々から受け継いだような時代のイメージが、今の時代に標準を合せきれていない部分もあると思うので、そういうのはちょっとずつでも壊していきたいなと。もっと広い視野で仕事をできる業界だと思うので。

個人的には、SNS世代の美容師でもあるので、自己発信、自由な発信をして、自分の身になるようにしていきたいですね。それこそ僕らの世代から作品撮りも積極的にやってほしいですし。

:本当にそういうことをしている人としていない人では、雲泥の差だと思うんですよね。
僕はよく「キャリアを無視される時代が来ますよ」っていう、発言をよくしていたんですけど。
例えば「技術を継承する」っていうのをよく業界のワードとして挙げられるんですけど、技術の正解って一体なんだろう? って思うんですよね。
″カットが上手い人″ってなったとしても、それをどこで実感するのっていう。結局今の技術の正解っていうのが、自己満足領域の中で成り立っているものだとなんで解釈できないだろうと思うんですよ。

あとは今、集客の窓口もすごく変わってきているなと感じていて。
ヘアスタイルを提案することも入り口になっているけど、結局″この人に切ってもらっている″というステータス感のほうが大きいのではなんて思うんですね。
昔はそれがモデルやタレントさんで、例えば、CanCamでえびちゃんのヘアをやったときに、「えびちゃんをやっている人」が入り口なわけです。デザインよりも、そちらのステータス感のほうが大きいんですよね、多分。それが今は美容師個人になってきているなって。僕の場合は、今までの全部の略歴だと、記事。ヘアスタイルっていうのはオーダーされないんですよね。おまかせが多くて、そうなりたいっていうビジョンを言われません。

:木村さんに切ってほしいってなってきているんですね。

:そう。それを自覚したのもつい最近なんですけどね。
だからこそ課題だなって思うのは、その場所で働く価値っていうことをキーワードとして上げていて、フリーはなくなって絶対指名をするようになる。でも指名をされる自分づくりができるんだったら、そこで働く意味ってないんですよ。

:個人でやっても問題がなくなりますもんね。

:そう。サロンの中でも「時代背景が変わってきていますよ」「時代のスピードの流れ方が異常ですよ」って言い方をしているんですね。
若者層をいかに伸ばすか、我々が価値を提供していかなければ残る理由がないって話もしていますよ。ブランドにあぐらをかいて、お店のために働けよ、自分で考えてがんばれよって言って、自分でやるんだったら、そこじゃなくてもいいじゃないですか。
そういったところの気づきを自分で自発的にしていかないと、長く組織を運営するってことができないですよね。自分もairの中では上から数えたほうが早い立ち位置にいるので、いろんな会社の中の仕事をして、ひとつずつ成功させていきながら納得させられる材料を増やしていくっていう作業はしていますね。

技術の正解論も崩れて、結局″人″を目的に美容室に行くから、そういった部分ではすごく激動な世代なのかなと思うんですが、その辺に関して若者層から見てどうですか?

:本当にその通りで、今後もっと自己発信が重要になることは危機感としてあります。でもそうやって木村さんたち世代の方が道筋をある程度つくってくださっているおかげで、我々は動きやすくなっているっていうのはあるので、それに応えたいっていうのがあります。記事を書けることに関しても、木村さんが先駆けでやり続けてくださったおかげというのもあると思うので。
これからスタイリストになるにあたっては、自己ブランディングの部分では、個性をしっかり出していかないと、ホットペッパーに食われてしまうのかなって。

:ホットペッパーに食われてしまうってみんな言うんだけど、そんなにホットペッパーってすごいの?
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:クーポンでしか来ないってなると自分の技術を安売りせざるを得なくなってしまうし、ホットペッパー客でしか回遊がなくなってしまうので。せっかく表参道エリアで技術を築いたんだから、ホットペッパー集客よりも、自分で集客できるようなカタチをつくっていくことが、これからの活動としてはテーマになってくるなと思っています。

:前回の寺村さんのお話を絡めていうと、彼の売り上げ目標は、アシスタントがいないマンツーマン接客なのにかなり高めなんですね。
じゃあどのようにしてそのプロセスを描いていくかっていうと、自分の自己マインドの確率と、あとは、ブルーオーシャン宣言ですね。要は狙っているくせ毛の層のエリアにそんな特化している人がいないっていう。髪質改善っていうところの一本化をしているわけですね。だからそれを高額化、固定化させても全国から訪れてくるわけです。

それが彼の戦法なんですけど、自分が思い描いている、仕掛けていく戦法としては、今考えられる戦法としてはどうですか?

:今、徹底的にボブを極めているんですよ。日本人の骨格で一番似合うのはボブだと思っているので。レングスだけで言うと競争は激しいんですけど、ボブのナチュラル一本化というか、そこに特化していきたいなっていうのはあります。

:特化しつつ、ボブと言えばで発信を行っていくと。

:そうですね。これから研究していきたいです。全然当たらなかったら違うことにトライしなきゃいけないので。

:成功しそうですか?

:どうでしょうね(笑)。したいですけどね。目指すところはそこですが、あんまりとらわれすぎないようにはしたいなと思います。

僕にとって、ブランド=自尊心です!

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――最後に今日ブランドって言葉が何回かでてきたんですけど、お二人の考えるブランドってなんだと思いますか?

:僕は、一応ブランドとしては確立されているサロンに属している人間なので。上の人にどう思われているかは分からないですけど、僕なりに受け継ぎながら、airというブランドを背負っているという自覚の中でやっています。自分が作ったサロンではないですが、その原動力は誇りなんですよね。別に、木村直人個人で活動したっていいんですよ。

でも、なぜairという看板を背負い続けるのかっていったら、誇りですよね。airというところでやってきて、airやLOVESTていう看板が好きっていうのが、僕の誇りです。
だからブランド=誇りですね。そういうくくりになると自分は思います。

:僕は、お店の名前もそこまで使えない時代になってきていますし、自己ブランディング次第の部分もあるので、ブランド=自尊心かなと思います。

実はずっと言えずにいたんですが、僕専門1年生のときにgricoさんに入社する予定で働かせてもらっていたんですね。でも、19歳の僕には厳しさがあり、逃げてしまいました。
それが今でも僕の中では悔しさとして残っています。だからこそ、自分の中にお店のブランドに頼らずに自分の力でどれくらいできるかを養いたいって気持ちがあって。

表参道で高い技術力があって、雑誌とかはやっていない無名のサロンを探してこのお店に行きつきました。そこからは、自己ブランディング力を養いつつ、どれだけ仕事をもってこれるかっていうところを意識しながら働いていたので。ブランド力に頼らず、自立するんだっていう自分のプライドみたいなものかもしれないですね。

:そういうところも、どんどん言って言ったほうがいいと思いますよ。僕もそうですし。

今日の締めとしては、アシスタントという立場でこういう応対ができることが素晴らしいですよね。自分の意見をもっているし、しっかりとした考え方ですよね。
同世代には価値があるのかなっていうのは今日思いましたね。僕が24歳のときに、そういう話振られたら、上手くなりたいだけっす! 有名になりたいっす! みたいな感じだったと思うので。

今の子っていうのは、スマホで情報を仕入れるから文字をたくさん読んでいると思うんですよ。雑誌だったら、写真がメインなので、細かな文字はあまり読まないし。
文字読んでいる数が全然違うので、そういう応対ができることの理由のひとつなのかなって思いました。だからやっぱりデジタルネイティブですよね。僕の息子にはZ世代を超越したΣ世代としてをグーグルグラスがマスト着用ですかね(笑)。

――ありがとうございました!

☆次回は、高校生の佐地竜也くんとhinaちゃんにお話を伺っています。

 

 

連載アーカイブ

【対談連載】木村直人の『Youは何しに美容業界へ?』第1回 :AKROS smiloop砂川勇斗(前編)

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第2回Lily 寺村優太

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第4回ホスト系美容高校生 佐地竜也 アレンジ美容高校生hina aizawa

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第5回boat by ROVER稲垣佳恵

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第6回OCEAN TOKYO 米田星慧

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 最終回U-REALM高木裕介

 

プロフィール

譌・驥弱&繧・AM8V0060


日野達也

1992年3月23日生まれ。兵庫県出身。大学を中退後、エビスビューティーカレッジに入学。銀座のサロンを経験後、現在のBella Dolceにジョイン。アシスタント時代より、自らがヘアメイク&カメラを務め、レベルが高く、熱心な作品撮り活動を行っている。先日1月11日にスタイリストデビューを迎えた。

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日野さんの予約・サロン情報はこちらから


木村直人

ヘアスタイルスキルにおいては語るに及ばず、常に先を走る日本のトップクリエイターの1人。「上質、洗練」をテーマにし、グラデーションカラーに代表される様に斬新な価値観で世の中にトレンドを発信し続けてきたオールラウンドプレイヤー。
情報発信者としても高いスキルを誇り、常に精度の高い情報を提供し続けている。
主宰するオンラインサロン「マルチバース」においては開始2日で400名の会員を動員。LINEスタンプディレクション、美容メディア構築など、美容師の仕事だけにとどまらない活動を通じて社会に対しての貢献を成している。
芸能人顧客多数、雑誌などでも目にしない事はない程にサロンでもサロン外でも精力的な活動を行っている。
【著書 ハラドキヘアスタイルブック(三栄書房)】はAmazonビューティーランキング第1位を獲得。

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■木村さんの過去の連載はこちら

【木村直人連載 最終回】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

撮影/saru

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