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【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第2回<前編>Lily 寺村優太

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第2回<前編>Lily 寺村優太

Views 29 December 2015 (更新日:
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air木村直人さんが、気になる若手美容師に話を聞きに行く『Youは何しに美容業界へ?』。
2人目のお相手はLily(リリィ)の寺村優太さん。以前から交流があったというお二人ですが、会って話をするのは久々とのこと。

一体どんな方だろう? と寺村さんのTwitterを覗いてみると、アカウント名には「寺村優太 髪を綺麗にしてくれる人」という文字。そして、彼が働くLilyは、アシスタントを入れない完全マンツーマン接客という他のサロンとは少し違うスタイルの営業をしています。
有名店で働いていたという過去を持ちながら、どうして現在の環境に至ったのか、お店を回すための仕組みに抱いたジレンマや、今武器にしているものについてお伺いしました。

目の前にある、「こうすればお客様が喜ぶ」をすぐ実行したかった

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木村直人(以下、木):忙しそうですね。お店をオープンしてどれくらいですか?

寺村優太(以下、寺) :11月7日で一周年を迎えました。

:どうですか? 絶好調ですか?

:そうですね、売り上げもお客様も一応右肩には上がってきています。

:前、おっしゃっていた目標クリアできそうですか?

:はい。

:できそう!? すげー。アシスタントはいないんですよね?

:はい。フロントまわりのことをやってくれるレセプションのようなスタッフはいますが。

:前、飲みにいったのは去年の12月か。あっという間ですね。1年間の中では成長できたなって感じですか?

:そうですね。でも、今スタイリストになって、1年と9か月くらいなので、まだまだお客様から学ばせてもらうことのほうが多いんです。

:年齢は今おいくつですか?

:今、25歳です。

:元気がありますね、その世代。

――前回のAKROS smiloopの砂川くんも同じ世代ですもんね。

:僕らの世代っていうのは、有名サロンっていうのに属して活躍するっていうレールのようなものがあって今に至るんですよね。
寺村さんも、元々は有名と言われるサロンにいらっしゃったわけじゃないですか。何を思って現在に至ったのかお伺いしたいです。

:元々のビジョンは、木村さんを含めてカリスマと言われている人たちのように、幅広い仕事をやりたいなと思い、そういうことができそうなサロンさんに就職しました。
その中で、店長になったり代表になったりしたいなって思っていたんですけど、どうしても自分が思い描いているというか、やりたいことがやらせてもらえなかったんです。

今は、美容師がブログをやったり、SNSを使って発信をすることが当たり前になってきているじゃないですか。でも、そのときは規制があったり、いろいろ厳しくて言いたいことが言えないことにジレンマがあって。かといって、そのときはアシスタントだったので、お店に対して意見があっても、結果がないから認めてもらえない状態でした。

もちろん、結果をだしてから変えていけばいいって考え方もあったんですけど、どうしても今すぐ目の前にある、「こうやったらもっとお客様が喜ぶのにな」っていうことを実行に移したかったっていうのがありますね。

:そこから実際にそれを実行できるような環境になって、今、お客さんに対して具体的にどのような仕事の仕方をしていますか?

:今はお客様に対して、完全なマンツーマン接客をしています。アシスタントを入れずにご来店から、最後までを僕が完全につきっきりで担当させて頂いているので、高い満足度で接客はできているのかなと。

僕、アシスタントになったときから1番になりたいと思っていたんですが、それってお客様からの指名だなって当時は思っていたんですよ。そのためにひたすら勉強して、シャンプー指名も1位を取って。
でも、メインアシスタント2・3年目でカット以外のことをやらせてもらえる立場になったときに、シャンプーに入れなくなっていくっていうのが、すごく僕の中でストレスになっていったんですよね。お客様からは「シャンプーしてほしい」って言ってもらえるけど、僕が入るとお店が回らなくなっちゃうからダメだ、みたいな。

「全部やってあげたいのにな」って思いが膨らんでいって、自分で最初から最後までできないのかな? っていうところから今に行き着きました。

:そういう状況だと思っていても、なかなか踏み出せない若い人が多いと思うんですけど、どうやって踏ん切りをつけたんですか? もうやっちゃおう! みたいな?

:背中を押してくれたのは、今のお店の代表である柳本ですね。
僕よりも1年半くらい先に前のサロンをやめて、フリーランスになって。ブログ集客のみの1人営業で、売り上げおよそ450万円をだしたんですよね。
どういうことをやってきて、どういう結果を出したかっていうのを見ていたから現実にできるんだって思って。

前のサロンの代表や有名な美容師の方たちって、神的存在になってしまっていますが、その人がどういう努力やプロセスがあったのかがリアルに分からないので、柳本のプロセスを見れたっていうのは大きかったですね。

:大きな組織を飛び出して、ほぼ一人で挑戦することに対しての恐怖心はなかったんですか?

:ありました。恐怖心というか、常に焦りというものがあって。いつも自分の中でここまでにこうなりたいっていうリミットを決めるんですよ。

1年目のカリキュラムも何月までに全部受かっている、だから時間配分をこうしてってすべてスケジューリングして、それまでにやらなきゃいけないことを決めてやってきたんですよね。
それをクリアすることに楽しさがあったんですけど、元々自分の中では2つの道で迷っていて。
サロンの中でランクを上げていってお店を動かせるだけの人になるか、あるいは、ある程度のところまでいったら独立しようかっていうのはずっと選択肢としてあったので、どっちに行ってもいいようにとは常に思っていました。

アシスタントのときから個人発信を続けていたのも、どっちを選んでも大丈夫なようにするための準備ですね。

お客様に動画を撮って送ったり、LINEをしたり。マンツーマン接客だからできることをしてます

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――木村さんは、その頃にブログで寺村さんを知ったんですか?

:僕が寺村くんを知ったキッカケってなんでしたかね。よく燃えてるな(炎上)っていう印象で始まった気がします(笑)。割と美容師さんの間で話題になっていたんですよね。
対、誰かがいる前提での記事をよく出していて、もちろん誰かがいる前提で物事を言ったら絶対違う思想の人もいるからもめるじゃないですか。僕ら世代の美容師にも当てはまることがあったから、それをしたら敵つくるし燃えますよね。

僕は、そういうのおもしろいと思っちゃうタイプだから、何を考えているんだろうなって聞いてみたかったし、とりあえず会ってみようよ、っていうところからスタートしました。そこで話をして、僕の気持ちはその時に伝えているんですが、この1年間で彼の発言とか変わってきていて。
そのとき僕が言いたかったことも彼は分かってくれてると思うし、僕もその1年の間で理解が進んだと思います。

:そこから今に至っていくなかで、寺村くんが武器にしているものはなんですか?

:今は、僕が長期的に担当させてもらえれば、絶対髪をキレイにできますっていうのを約束の元やらせてもらっています。
その中で、料金に対しての自分の価値を常に見ているというか、この価格を頂いているから、このレベルをやらないと絶対リピートしてくれないなっていうのを考えてやっていて。

そのために、勉強のつもりで食事やホテルとかもちょっと高いところに投資だと思って行って、自分が支払った価格でこんなサービスを受けられるんだっていうことを知るようにしています。
僕自身もそれと同じくらい付加価値を与えないと、絶対満足してもらえないないじゃないですか。

例えば、サロン帰りの仕上がりって自分でできないお客様が多いと思うので、そういう人に対して、長期保証じゃないですけど、LINEだったりメールで、分からないこととかできないことを送ってもらえれば、少し日にちは空いちゃうかもしれないけど、必ず教えるし、場合によっては動画撮って送るのでっていうことをやってあげたりとか。

それって多分マンツーマンだからできることなんですよね。1日何十人もお客様を担当されていると全員にできないじゃないですか? でも1日5~7人を担当しているなかで、カラー塗った待ち時間とかにメッセージを送る準備をしておいて、お客様が帰られたあとに送ると喜んでもらえるし、時間を有効的に使えています。

:そこが武器と。今ってカットでおいくらですか?

:今、新規のお客様には、税込みで1万2960円頂いています。

:すごいですよね。今、1万2960円で、代表の柳本さんは2万7000円でしたっけ?

税込み2万7000円です。

:カットで2万7000円取れる人っていうのは、僕もちょっと驚く領域なんですが、いいなぁって素直に思ったんですよね。その価格設定に対する価値観や考え方って、みんな知りたいと思うので教えてください。

 

 

――次回、カットのみで1万2960円取れる理由とは?

 

 

 

連載アーカイブ

【対談連載】木村直人の『Youは何しに美容業界へ?』第1回 :AKROS smiloop砂川勇斗(前編)

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第3回Bella Dolce日野達也

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第4回ホスト系美容高校生 佐地竜也 アレンジ美容高校生hina aizawa

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第5回boat by ROVER稲垣佳恵

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第6回OCEAN TOKYO 米田星慧

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 最終回U-REALM高木裕介

 

プロフィール

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寺村優太

1990年3月7日生まれ。群馬県出身。山野美容専門学校を卒業後、六本木のサロンにて4年間働く。その後、フリーランスサロンでの美容師を半年経験後、現在の『Lily』立ち上げメンバーとして参加。「自分史上 最高に美人に」をキャッチコピーに、女性へ美しくてまとまる髪へ導く髪質改善を提案。Twitterにて365日毎日ヘアケアに関することをつぶやき続け、数々のメディアから『美髪のプロ』『美髪アドバイザー』として特集される。

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木村直人

ヘアスタイルスキルにおいては語るに及ばず、常に先を走る日本のトップクリエイターの1人。「上質、洗練」をテーマにし、グラデーションカラーに代表される様に斬新な価値観で世の中にトレンドを発信し続けてきたオールラウンドプレイヤー。
情報発信者としても高いスキルを誇り、常に精度の高い情報を提供し続けている。
主宰するオンラインサロン「マルチバース」においては開始2日で400名の会員を動員。LINEスタンプディレクション、美容メディア構築など、美容師の仕事だけにとどまらない活動を通じて社会に対しての貢献を成している。
芸能人顧客多数、雑誌などでも目にしない事はない程にサロンでもサロン外でも精力的な活動を行っている。
【著書 ハラドキヘアスタイルブック(三栄書房)】はAmazonビューティーランキング第1位を獲得。

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■木村さんの過去の連載はこちら

【木村直人連載 最終回】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

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