アラフォーです。
なんだなんだ。この写真は。
と言いますと…
17年前の僕です。
それが17年経つと…
妊娠6ヶ月の妻と変わらない腹になるわけです。
怖いですね。
基本自分に興味がなく、それでいて流れ行くままに生きている為、全く気にしていません。
むしろネタです。
嘘です。自分に甘くなるとこうなるという事です。反面教師として日々頑張ってます。
まぁ、どうでもいいですね。
さて…
【木村直人連載vol.6】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫! | MTRL https://mtrl.tokyo/column/6805
前回まで。
入社してすぐに学ぶもの。シャンプー。
「オスマン・サンコン」みたいなマネージャーにボロボロにこき下ろされた僕。
一つ誤解のないようにしておきたいのだが、その「サンコンさん」
そう、こう書いてはいますがとんでもなくいい人なんです。
1軒目のサロンを辞める(いやクビなんだけど)前まで、本当によくしてくれていた。
もちろん怒ったりはあるんだけど、怖くはないんですよ。
普通に「ああ…いい人なんだろうな」て誰もが思っちゃうタイプ。
ただ、逆に…
「オールパーパス」という技術があるんだけど、それもなかなか受からなくって…
「サンコンさん」が見てくれるんだけど、「ダメ!」と言われては目の前でウィッグ(練習用の人形)を床に叩きつけたりとか、とにかく最低だった。
まだこの頃より先の話になるんだけど、教育システム(カリキュラム)がコロコロ変わっていた。
変わるたびに「スタイリスト(髪が切れるようになる立場)」になるのに時間がかかるわけで、その度にジレンマを抱えていた。
サンコンさんはそういった想いなどを幹部会に挙げ、見直す様に話すこともあったそうだ。
当然認められるわけはなく、今思えば、組織っていうのはそんなもんだし、良かれと思って常に試行錯誤している事は今の立ち位置になればよーくわかる。
だがその当時はもちろんわかるはずがない。
そういった意味では本当に「甘い」人だった。
ただ僕らはみんな大好きだったと思う。
まぁ、そういうもんですよね。
お元気なんでしょうか…
そのサロンでは「1年目」でいきなりオリジナルのハサミ(シザー)をもたされるんですよ。
他の技術やりながら「カット」も同時進行で進める。
そのシステムに関しては本当に良かったと思う。
渡された時には高揚したものだ。
「ああ…僕は美容師なんだな…」
と…
その当時「ヘアショー」なるものも活発に行われていた時代だった。
なんと…
1年目からヘアショーに出る。
これはかなりセンセーショナルな事でモチベーションアップには最適な方法だったと思う。
現在の美容師の在り方みたいなものはこの辺に集約されている気がする。
もちろんまともに切れるはずがない。だって習っていたのは「ワンレングス(まっすぐ切るカット技法)」そんなレベルだ。
(現Belle代表の飯田尚史氏。この当時からこういった場面でも変わらず冷静にこなせていた)
(現同僚の中島毅氏。この頃からずっと手を掻いていた。)
(現airディレクター、執行役員渋谷謙太郎氏)
(当時2年目。とんでもないイケメンキャラとして名を馳せていた。確かに誰もが認めるイケメンだった)
当たり前だが、ヘアショーの事なんかは覚えているわけがない。
とにかく必死だった。
もう真っ白。
幸い「指を切る」という事はなかった様だが指を切っていた人も何人かいたと思う。
先輩方でも緊張するのだ。
狙いはわからないが、そういった意味があるのかな?
わからないし、目的としては「1年目でこんなやれるんだ」みたいなアピールもあったかもしれない。
とにかく色んな効果があったと思う。
今回はまともに締めて行きたいと思う。
現在まで脈々と繋がる美容師としてのマインドはこの時点で既にできていたと思う。
現在に至っても名前をだすのが恐れ多いレベルの当時のアートディレクターの方。
「お世話になった師匠を挙げよ」
と言われれば間違いなく入ってくる方。
本物のアーティストだった。
その方に言われ続けていた事は…
「とにかく切れ、デザインしろ」
だった。
現在では「サロンモデル」という呼び名が一般的な「モデルさん」
そこの雰囲気にのまれて中途半端な事をしていると常に一喝されていた。
「そのデザインはお前のものなのか?」
そういったメッセージが込められていた様に思う。
当時は割と切らせてくれたりする方も多くいたが現在はなかなかそうはいかない。
その当時でも「切らせてくれる」という人を見つけるのはハードルが高い事だったがそういった人を見つける事も美容師、アーティストとして必要な事である。という風に教え込まれそれを忠実にやってきた。
そういったことを踏まえ、マインドを鍛えてきた事に現在の自分が存在している様な気がする。
だから現在も常に問う。
と…
髪すら切らず、ヘアメイクセットだけして撮影するスタイルは現代的で、致し方ないという部分はあるが、絶対的に忘れてはいけない事。
「きっちり切ってデザインする」
これがないと職業的な本道ではないと考えるし、「業界の発展を!」なんて言っても詭弁に聞こえてしまう。
「美容師さん」というよりはこの職業を続けられている理由は「アーティスト性」が高いという所にある。
デザインせずにはいられない。
そんな感性を養った方がのちに活きると思うし、壁に当たった時も超えられる要素となり得るだろうと僕は思う。
こういった世の中だからこそ、モデルさんに嫌がられる、怒られる。
そんな中でも頼み込み、デザインし、表現する。
そういった魂やコミニケーション能力が求められているのではないだろうか?
最後に。
ひと昔前に書いた記事を転載しておく。
今だからこそ【髪】を切れ!
yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
また来週。
■アーカイブ■
【木村直人連載vol.1】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.2】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.3】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.4】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.5】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.6】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.7】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.8】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.9】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.10】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.11】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載 最終回】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
■ライタープロフィール
木村直人
ヘアスタイルスキルにおいては語るに及ばず、常に先を走る日本のトップクリエイターの1人。「上質、洗練」をテーマにし、グラデーションカラーに代表される様に斬新な価値観で世の中にトレンドを発信し続けてきたオールラウンドプレイヤー。
情報発信者としても高いスキルを誇り、常に精度の高い情報を提供し続けている。
主宰するオンラインサロン「マルチバース」においては開始2日で400名の会員を動員。LINEスタンプディレクション、美容メディア構築など、美容師の仕事だけにとどまらない活動を通じて社会に対しての貢献を成している。
芸能人顧客多数、雑誌などでも目にしない事はない程にサロンでもサロン外でも精力的な活動を行っている。
【著書 ハラドキヘアスタイルブック(三栄書房)】はAmazonビューティーランキング第1位を獲得。