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【木村直人連載vol.10】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

【木村直人連載vol.10】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

Views 14 August 2015 (更新日:
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木村さん連載10_1

アラフォーです。

ハサミは二本しか持ってません。

基本的にシンプル。別に切れれば家庭用ハサミでもいいと思っている男です。

今のハサミを選んだのも「ただ売りに来たオッさんに共感した」

美容師やってると「温度」というものがありまして、「熱すぎてもダメ。冷めすぎててもダメ。」

お客様の来店が多い人は「熱い人」ばかりじゃないと思うんですよね。

僕みたいに「気持ちはあるけどフワッとしている」こういう空気を出す事も一つのアドバイスと言えましょう。

ハサミを売る人も同じです。

「俺は熱い!だからこのハサミを」

みたいなハサミはいりません。伝わってしまうので。

心地よい温度が大切です。

まぁ、どうでもいいですね。

さて、前回。

【木村直人連載vol.9】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

https://mtrl.tokyo/column/9815

引き続き写真を探しても出てこない暗黒期。

無事スタイリストデビューを果たした僕は順調に美容師やってましたし、楽しかった。

ただ、他にもやってる事があった。

そう…

「ギャンブル」

です。

今となっては普通かもしれない「競馬」や「パチンコ」

最早取り憑かれていましたよね。

言い訳になってしまうかもだけど「ハケ口もなかった」というのは事実ある。

そう、持って行きどころがないんですよ。

日々溜まるものにおいて…

そういった部分と、リアルゲームの様な感覚に取り憑かれてどっぷりいってましたよね。

別に仕事に気を抜く事はありませんでした。

それとこれとは別。と思っていた…

が、現実はそんな甘くない。

割と「職人色の強いサロン」に在籍していた僕。

そして、上の人に対してもよろしくない態度をとっていたのだろう。

突然言い渡された「クビ」の宣告。

理由は「下の子に対して悪影響」

そう、下の子ともよくそういった事に興じていた。

無理に誘ったりはしてなかったんですけどね。

まぁ、でも目立っていた僕が悪い。

後悔しても最早遅い。

クビを言い渡された時は素直に絶望した。

わかりますか?「素直に絶望」

色んな事考えますよね。

まずはとにかく凹みました。

生活どうするんや…?

が一番でした。

ちゃんと思い出してみると、「生きる」という事が一番に出てきて、「美容師」の事はおざなりになっていた。

それも全然良くないですよね。

でも別にみな人間完璧な人などいない。

今だからこそそういった事も素直に語る事に価値を感じている。

その当時はそういう事しか考えられなかったのだ。

そういう「24歳」でした。

悲しみにくれたのは数時間。その後の立ち直りは秒速。

僕って「スイッチ」みたいなものがあるのかなぁ?

と思うほどに立ち直りも早い。

「クビ」を宣告された後、訪ねたのはその前に同じ様に別の事でクビになった同期生の家。

「日韓ワールドカップ」の真っ最中でした。

僕は泣きながらその同期を訪ね、サッカーを見てボー然としていた。

気づいたら疲れたのか寝ていて、寝て起きたらもう頭は切り替わっていた。

すぐに次を決める。

そう、こういうのにダラッとしていると本当にダメになると思った。

ここは間伐いれず行動する事が重要だ。

すぐに次の働き口を決めなければ本当にダメになる…

そう考えた僕は同期の家から直ぐさまある先輩に電話をかけた。

木村さん連載10_2

(ある先輩)

そう、その先輩は一足先に在籍していたサロンを辞め、当時絶頂だったサロンで働いていた。

そこで僕は頼る事にした。そういった時は素直に頼る。

そういう事も必要に思う。

電話をかけ…

「○○さん。そこのお店で働きたいんです。どうしたらよいですか?」

「えっ。タイミング的には微妙(その時人が足りないという状況ではなさそうだった)だけど大丈夫じゃないかなぁ?話してみるね。」

と…

正に感謝でしかないが、本当に繋いでいただけ面接を受けられる事となった。

「クビ」を言い渡されてから5h足らずの事だった。

こういう「絶望的」な事があってから、これはこれで仕方のない事であり、立ち直りが迅速だった自分に対しては讃えたいと思うが、絶対的にダメなことであり、特に肯定するつもりもない。

なぜ、こういういわゆる「言わんでもいい事」をあえて言うのかというと…

なんか「美容師」って職業を誤解されている様に感じたりする。

近年の業界的な発言を見ていると…

「美容師」ってとにかく素晴らしい!

みたいな発言しか出てこなくてゲンナリする事が多々ある。

「素晴らしい」は当然。その間のプロセスとは?

そう、「素晴らしい」で決着のつくものには大概「間」が抜けている。

「お客様をもてなす模様。それでお客様が喜ぶ模様」

そういった描写がメインの発信になっている様に思うが、美容師の日常の中にはもっとドラマもあるし、その他「良くない」と思われるものも多い。

勤務時間、保険、雇用体制、その他諸々…

課題は山ほどあるし、そこにおいて足踏みしている現状がある。

だが、「辞めよう」と思った事がない。こんな僕でも居させてくれるこの業界が好きだから。

こういったサロンを「クビ」になる様な奴なんてごまんといる。

そしてそういった中で救われたり、学もない僕を拾ってくれた人もいる。

成長は少しずつでもいい。前を向けよ。と言われている様な感じがした。

わからない人ももちろんいるかとは思うが、受け止め方には比較的懐柔的な業界だと思っている。

みんなそんな経験も、スレスレの事もあるからだ。

成長のスピードは社会から考えると遅いかもしれない。

何せ僕なんて単なる「バカ」でしかないからだ。

こういう事も踏まえて経験してこないと学ぶ事が出来ない単細胞。

そんなもんだ。

ただ…少しずつでいい。前に進めよ。

と言われている様な感じがして…

まっこと「人間くさい」業界。

僕は「美容師になって一番良かった事ってなんですか?」と問われるとこう答えるだろう。

みんな「人間くさいぜ!」

感情も素直に表現していて、泣き、笑い、怒り…

全然短絡的な発想もあれば、とんでもなく前進する力を見せたりもする。

「距離の近さ」みたいなものを感じる。

インターネットの普及に伴い、薄れている様に感じさせる部分があるかもだが、そんなのは個人的には全く感じていない。

会えばみんなそういった「人間くささ」を見せてくる。

それはやはり「人触れ合う回数が群を抜いている。そして距離も近い」からであろうと思っている。

インターネットが如何に発達してもこれは変わらない。

実際、サロンに来店して「触れ合う」事の多い我々の職業。

時代が変わってもそこの本質は変わらず…

そして僕が「好きな職業」と言えるのはこういう所にある。

自分のダメな事を包み隠さず発言する理由はこういう所にある。

こういう事を述べた上で僕はあえて言おう。

美容師って素晴らしい。

正に今現在幸せに暮らせている事も、なんの不自由もない生活を送らせて頂けている事も…

全てそういった「お客様含む、周りの人」によって成り立ってきた。

ダメな部分もそしてよい所も、見守ってもらいながら遅い成長に出来るだけ自分で気付き変えていこうとする力を。

正に…

yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

と言える根拠はここにある。

後2回の連載で何を伝えられるか?

また下りゆく体力に抗って必死に言葉を出していこうと思う。

また来週。

 

【木村直人連載vol.9】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

 

 

■アーカイブ■
【木村直人連載vol.1】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
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【木村直人連載vol.5】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
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【木村直人連載vol.8】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫
【木村直人連載vol.9】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.10】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載vol.11】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!
【木村直人連載 最終回】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

■ライタープロフィール

【木村直人連載vol.9】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

木村直人 
ヘアスタイルスキルにおいては語るに及ばず、常に先を走る日本のトップクリエイターの1人。「上質、洗練」をテーマにし、グラデーションカラーに代表される様に斬新な価値観で世の中にトレンドを発信し続けてきたオールラウンドプレイヤー。

情報発信者としても高いスキルを誇り、常に精度の高い情報を提供し続けている。

主宰するオンラインサロン「マルチバース」においては開始2日で400名の会員を動員。LINEスタンプディレクション、美容メディア構築など、美容師の仕事だけにとどまらない活動を通じて社会に対しての貢献を成している。

芸能人顧客多数、雑誌などでも目にしない事はない程にサロンでもサロン外でも精力的な活動を行っている。
【著書 ハラドキヘアスタイルブック(三栄書房)】はAmazonビューティーランキング第1位を獲得。

 

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