明日のモテるを配信中!

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第4回<後編>ホスト系美容高校生 佐地竜也 アレンジ美容高校生hina aizawa

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第4回<後編>ホスト系美容高校生 佐地竜也 アレンジ美容高校生hina aizawa

Views 01 February 2016 (更新日:
  • Facebook
  • Twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

前回の対談はコチラからチェック!

【前回のおさらい】
高校生ながら、美容のことやヘアアレンジについての情報をTwitterやブログで発信し続けている佐地さんとhinaさん。今後は将来的なことを考えて、美容関係以外の人とも交流をしていきたいという目的をもって活動していました。
そんな少し真面目すぎる?二人に木村さんがアドバイスをしたのは、「まにうけない」ということ。後半も、これから美容業界を目指す人へのアドバイスが続きます!

目的が二つあったほうが、壁にぶつかったときにかわせる(木村)

AM8V0039

――前回は、今美容業界の内情が弱まっているのにも関わらず、それでも一年で半分が辞めると言われている美容師の数は変わっていないというお話でした。これから美容師を目指す人は、一体どのような心構えでいたらいいのでしょうか?

木村直人(以下、木):そういうことに対してアドバイスできるとしたら、一番簡単なのは、やっぱりまにうけないことですね(笑)。ピュアであればあるほど、心が砕けるなっていうのは感じています。真正面から行くと、見えない力によって砕けちゃうんですよね。やりたい気持ちがまっすぐ行くと、正面衝突して終わっちゃう。だからかわす。

例えば、前編で話題が出た手荒れに関しては、僕もひじあたりまで荒れた経験はあるんですが、それでツラいなというよりも、かゆいなとは思うくらいでスルー。
あとは、まわりの空気に合わせるままにいながらキャリアを積んで、ブログを書いていたら、「知ってる、知ってる!」みたいになって、今に至る感じなんですね。そういうスタンスでなんとなく生き抜いてこられました。

今の2人のままだと、ちょっとピュアすぎてかわすことができないかもしれないかな。木村賢司くんの場合は、「ビジネスだから」というかわし方があるから、ツラいことも結果ビジネスにつながる。でも“お客様のため”ということにしか本質がなかったら、だいたいの人は辞めちゃうのかなっていうのは2人の話を聞いてちょっと答えが見えてきたのかもしれないですね。

あとアドバイスできることがあるとしたら、僕はSNSで空気を読みながら発言のパワーバランスを変えていってます。今なら多少は語気が強いことを言っても、別に反発が生まれないとか。でも、今の2人の段階で強くいったら炎上してしまうと思うので、その辺の力加減の入れ具合を今の内にマスターしておくと長く美容師を続けられるのかなと思ったりします。
そういった意味ではネットで色々な言葉を聞いているから、かわす術のひとつに活きているかもしれないですし。逆に、ネットに疎い子は辞めるのが早い印象がありますね。

ネットに強い人は、いろんな情報見て精査して、空気が読めるようになったり、何かを投げても深いところの意図を組もうとするので。誰も悪気があって何か物事を言うわけじゃないし、いろんな切り口の意見が飛び交っているから、何が正解か分からないですよね。サロンの中でも色んな思想があるし。
だから今後、‟自分と違う”と衝突する瞬間がでてくるはずだけど、そういうときにかわす術をネットで身に付けられるのではないかな。

あとは、違う目的をもう一つ作るといいのかもとは思いましたね。
髪の毛をやる、人の為に発信すること以外に、木村くんみたいにビジネスだからと言えちゃう自分、両面を持っているといいかもしれないです。

僕も創ることが好きだし、お客さんを楽しませたいっていうのがあるんですけど、豊かに暮らしたいという目的もありますよ。現金な話ですけど。でもそういうのを持っていないとやっていけないかなっていうか。
お金を稼ぎたいというよりは、豊かになりたい。がんばったことには、しっかり対価を得られて、例え多少の贅沢をしたとしても困らない。
でもそれは、自分がやるべきことをキチンとやってきているからなわけで、そこに対して得られたものをどう使ってもいいじゃん! みたいな感覚はありますし。まあネットでそれを言っていいのかとか、提示の仕方は色々考えないといけないですけどね。僕は今の感じのキャラづくりをできているからこそ言っていいってこともあれば、もちろんダメなこともあるし。

現金なこと言うと、悪いことのようにとらえられがちなんだけど、別にそうではないから。
それを声に出して言ってみて分かってくれるかどうか、人の見定めは大切だけど。
だから、これから美容業界へ入ってくる人にとっては、情報や人を見極めることが必要になるかもしれないですね。いろんなことを言っている人がいるから、そういうものを情報収集するという意味では、インターネットは有効かもしれないです。この人素だなとか、作っているなって分かるようになるかもしれないし。
僕なんて、全部冗談だから。まじめっぽいことを書いていてもゲラゲラ笑っていたりするし。硬い部分もあるけど、だいたいテキストに起こしているときは冗談。
最近いろんな美容師さんのTwitterを見ていますけど、固い人が多いです。だから今後は、もう少しラフな部分が見えていくといいかもしれないですね。

SNSで発信し続けるには、誰も不幸にならない文章術を身に付けること(木村)

AM8V0031
佐地竜也(以下、佐):僕はブログを書いているんですけど、木村さんが普段気を付けていることはありますか?

:僕らの職業は人ありきなので、例えばこれは違うんじゃないか? と思うことがあったとしても、できるだけフラットに見られるようにしておく。ワンレンという技術に対して、「僕はこう切る」『私はこう切る』っていう人がいたとして「僕はこうだと思うんだよね!」っていう一方的な発信をしてしまうと、もう一方の人は、間違いなの? ってなりますよね。
それは一般の人でも起こりうること。こういう女性がダメだ! って言ったらそうじゃない女の人はどう思うのか。そういう一方向から以外の考え方を盛り込んだ内容で発信をしていけば、割と支持が集まりやすいんじゃないかと思いますし、僕も意識はしています。
あとは、誰を対象に言っているのか。僕は、業界のために言うんじゃなくて、自分のところのスタッフのために言っているんですよ。自分のスタッフに言って何が悪いの? っていうところがあるし、他者は言いようがないから炎上はしない。
業界が○○だ、みたいなことを書いていたらそりゃまあダメでしょってなるけど。そういう気の使い方。人に関わって仕事をしていく者としては大事な要素かもしれないですね。誰も不幸にならない文章術。それを考えるといいんじゃないですかね。

――2人は、高校生や美容学生と集まって、撮影会もしているんですよね?

hina(以下、h):はい。いろんな人のセットができるような機会をつくったり、モデルさんにお願いしてアレンジの撮影会をしたり。木村賢司さんを中心に始まったもので、全国で60人くらいのグループになっています。

:すごくいい試みですね。それが帝越くんみたいな何万人という活動になったらひとつのムーブメントになるし、学生ならではのものができておもしろいなと思います。

でも、ヘアセットって若い子の間でブームになっていますけど、なんであんなに好きなんですかね?
メンズのヘアセット動画ってコンテンツ量がすごいじゃないですか。でも僕は別に男がセットしているのを見ても僕は全く楽しいと思わないんですよね。だからそういうのが何で今カルチャーとして成り立ってきているのかなって。
女性はコンテンツと成りうると思うんですけど、男がなぜそういう風になっている、本質はどこにあるんだろうなって。
ご自身たちがそうだとは思っていないけど、世の中を見ていてどう感じていますか?

:昨年はジェンダーレスという言葉が定着しましたし、読モの方が自らセットをしている様子を見せていたりと、メンズもおしゃれに気を遣ったりする人が多い影響から来てるのかなと思っていて。
私は最初レディースのことしか知らなくて、メンズセットが流行っていることもSNSで知ったんですけど。

:僕は少しメンズセットの情報は疎いんですけど、YouTubeで動画を発信したり、Twitterで画像を上げる人もすごく多くて定着してきている印象です。ここからさらに市場が拡大するのか、ヘアセット以外のことにも繋がっていくのか、それとも衰退するのか気になるところではあります。

:まだちょっと分からないですよね。自分が見ている分には、ただ単にモテたいんだなって思っていましたけどね(笑)。根本的に、イケメンになりたいというような思想が僕はないから、好きになれないというか別に見ようとも思わないですけど。
今の男のコや女のコは、イケメンになりたいんだな、可愛くなりたいんだな、それで注目されたいんだなって感じ取ったんですけど、そういうワケではないんですかね?

まじめだなとは話を聞いていて思いますけど、実際はもっと発想が単純なんじゃないかな。でも、モテたいからやっています、モテたいです! とは言わないじゃないですか。本当はそれが目的なのに、思想を掲げて発言しているもどかしさをすごく感じています。

:私も以前は、そんな作り込んだ髪型してても、鳥の巣じゃない? って思っていました(笑)。でも、解説とか聞いたり、日本人の骨格はこうで、ここは浮きやすいからスプレーで抑えてとか聞いていたら深いんだなと思って。やり始めたら、どんどんハマっちゃうのかもしれないなと。

:なるほどね~。でも、そういう男のコと付き合いたいと思う?

:ちょっと鳥の巣は嫌ですね……。

:でも、逆に毛先が赤のやつとか無理って思われているかもしれないですけどね(笑)。

:そうですね(笑)。

:僕はそういうモテたいんでしょ、という単純思考だったんですけど、その辺りの価値観が違うのかもしれないですね。承認欲求高いなと思っていましたけど、逆に自分自身が思われているのかもしれないし。何の気もなくずっとつぶやいたりしているけど、たまに主張してますねって言われることもあります。自然に生きているだけのことを書いているんですけど、世代を挟むとギャップ感があるのかもしれないですよね。僕はひとつの山場を越えているから、そういう風に見えているのかもしれないですけど。

結論としては、みんな真面目なんだなと。そこに驚きました。僕らおじさん層からすると、いやー頑張ってるね、自分好きだねって思っていたけど、あ、違うのかなって認識が変わった瞬間でもありましたね。

逆に、有名になりたいと思って始めた人は持たないかもしれないですね。結局生き残っている人っていうのは、批判的な意見にもめげない、天然タイプの人が多いので。話を聞いていても、「ん?」 みたいな人が多いですね。
だから逆に自分も「変わっていますね」と言われるんですけど。昔は、僕みたいな現実的な物言いをする人が美容師のなかにいなかったから。いやいやモテたいだけでしょ、とかね。
まあ真正面から受け止めすぎず、目的をもう一つもって頑張ってほしいです。

あとは、どういうところに入るかのお店選びが大事。ちゃんとお金をいただき、稼ぎ、豊かに暮らしたいならairがオススメですよ(笑)。

一同:(笑)。

☆ありがとうございました。次回は、boat by ROVERの稲垣佳恵さんのところにお伺いします。

 

連載アーカイブ

【対談連載】木村直人の『Youは何しに美容業界へ?』第1回 :AKROS smiloop砂川勇斗(前編)

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第2回Lily 寺村優太

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第3回Bella Dolce日野達也

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第5回boat by ROVER稲垣佳恵

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 第6回OCEAN TOKYO 米田星慧

【木村直人 連載】『Youは何しに美容業界へ?』 最終回U-REALM高木裕介

 

プロフィール

hina


hina aizawa

1998年生まれ。「アレンジ美容高校生」として、Twitterでヘアアレンジを頻繁に発信、メディアに取り上げられるようになる。現在は、学生団体のショーのヘアメイクもこなすスーパー高校生。春に控えた美容学校入学に向け、肩書にとらわれないようにと、アレンジ美容高校生の名を外して活動を開始。
Twitter

佐地


佐地竜也

1997年生まれ。「ホスト系美容高校生」として活動。数々のヘアショーや講演を見に行ったり、ブログで美容情報を発信。高校生ながら美容の勉強に貪欲すぎる姿が注目を集める。hinaさんと同じく、現在は肩書を外して活動。佐地さんが発端人となった美容LINEグループも開始したので、興味のある方はTwitterをチェック!

Twitter
BLOG


木村直人

ヘアスタイルスキルにおいては語るに及ばず、常に先を走る日本のトップクリエイターの1人。「上質、洗練」をテーマにし、グラデーションカラーに代表される様に斬新な価値観で世の中にトレンドを発信し続けてきたオールラウンドプレイヤー。
情報発信者としても高いスキルを誇り、常に精度の高い情報を提供し続けている。
主宰するオンラインサロン「マルチバース」においては開始2日で400名の会員を動員。LINEスタンプディレクション、美容メディア構築など、美容師の仕事だけにとどまらない活動を通じて社会に対しての貢献を成している。
芸能人顧客多数、雑誌などでも目にしない事はない程にサロンでもサロン外でも精力的な活動を行っている。
【著書 ハラドキヘアスタイルブック(三栄書房)】はAmazonビューティーランキング第1位を獲得。

Twitter
Instagram
BLOG
HP
facebook

■木村さんの過去の連載はこちら

【木村直人連載 最終回】yoッ!俺だってこんなんだったんだからお前ら絶対大丈夫!

撮影/saru

  • Facebook
  • Twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加