皆さんは繁華街のキャッチに「ギャンブルどうですか?」と声をかけられた経験はありませんか?
違法な客引き行為が問題視されている今日この頃。ホイホイとついていってしまう人は減っているかもしれませんが、興味がないといえば嘘になる方もいるのではないでしょうか。
これを読んでいる方の中にも違法賭博に手を出している人もいるのかもしれませんが、違法賭博に手を出すきっかけのほとんどは「紹介」だそうです。また、以前MTRLでは野球賭博が都内大学生の中で流行している件について紹介しましたが、もちろん違法賭博は犯罪行為です。
今回は違法賭博経験者のHさん(本名に近い仮名)にお話しを伺い、軽い気持ちで手を出し、どっぷりとギャンブルに浸かってしまう前に、違法賭博の危険性をご紹介していきます。
▲Hさん
--短刀直入に聞きますがHさんはギャンブルが好きですか?
昔は好きでした! また、パチンコなど日本で合法になっているギャンブルは一通りやったと思います。
--なるほど。では早速本題なんですが違法賭博ってどんなものがあるんですか?
そうですね。本当に種類がたくさんあるのでこれが全てではないんですが、有名なものだと「裏スロ」「裏カジノ」「インカジ」あたりですかね。裏スロとインカジはどこの繁華街にもあるんじゃないでしょうか。裏カジノはそんなに多くないイメージですね。僕は、インカジはよく行きましたね!
※「インカジ」・・・インターネットカジノの略で実店舗型の違法カジノ
--きっかけはなんだったんですか?
たしかキャッチですね! 「インカジ行ってみたいんだけど」って自分から声かけました。
--キャッチに案内される場所はどんなところですか?
そうですね。インカジが入っていたのはJR山手線の4番目くらいに栄えた駅の繁華街にある雑居ビルで、すぐに案内してくれました。ただ、顔写真付きの身分証の提示を求められましたね。理由は聞かなかったので、わかんないですね(笑)。ただ、結構いかつめの店員に言われたんで、反射で「ハイ」って渡しました。
--なるほど。店内はどんな感じなんですか?
インカジの店内はよくあるネットカフェみたいな感じですよ。ブースがあったりオープン席があったりして、そこのPCでインターネット経由のカジノをする感じですね。飲み物食べ物も無料でした。最高!
--当たり前ですけど、インターネット経由なんですね。イカサマとかはないんですか?
最初はめっちゃ疑ったんですけど、おそらくないですね。僕は実際に勝ってましたし。
--インカジって最初だけ勝って、負けが込んだりしていくのかなって思ってました。
大前提なんですけど、全てのギャンブルは基本的に負けますからね(笑)。
--そうなんですか?
だってそうしないと胴元が場を開く意味ないじゃないですか。世界にこれだけカジノがあって日本にこれだけパチンコ屋があってどんだけ儲けてるんだって話じゃないですか。日本のパチンコ店の売り上げって年間19兆くらいって言われてるんですよ。外食産業の市場規模が25兆円とかなんでほとんど変わらないレベルでお金を落としていくんですよね。そりゃあ胴元は儲かりますよ。勝ってる人はほんの僅かだと思いますね。(※個人の見解です。あと違法です)
--なるほど。でもHさんはほとんどの人が負けるとわかっていてそれでもギャンブルをしてたんですよね?
ギャンブルって楽しいんですよね。基本的に当たらないから、たまに当たった時にドーパミンみたいなものが出るんですよ。我々は「脳汁」と呼ぶんですけど(笑)。
--(ダメだこの人…)そうなんですか。負けると分かっていても、ついつい行ってしまう、ある意味依存症みたいなのは怖いですね。
--Hさんはインカジ以外にも行かれてたんですよね?
そうですね。裏スロもよく行きました。裏カジノは数回しかないですね。裏スロは、基本的にはパチンコ屋と変わらないですね。営業時間とレートが違法なだけです。もちろん営業許可も取ってないでしょうけど!
--レートが違法とは?
正規のスロットだとメダル一枚20円以下が普通ですけど、裏スロだと40円とか200円とか。当たればデカイけど、その分お金の減りも早いんですよ。えげつないくらいに(笑)。軍資金が多めに用意できる時じゃないと行かないですね。
--ちなみにHさんの軍資金はどれくらいでしたか?
インカジは10万円くらいですかね。裏スロは20万円くらいでした。
--裏カジノはあまりハマらなかったんですか?
裏カジノって知り合いの紹介じゃないと入れないんですけど、単純に僕の場合裏カジノを知ってる知り合いがあんまりいなかったってだけかもしれないですね。あと裏カジノって基本的にバカラのイメージなんですけど、僕はルーレットとブラックジャックが好きだったんで、いろんな種類が揃ってるところが良かったんですよね。
--日本では禁止されてるとはいえ、色んな種類のギャンブルがあるんですね。
そうですね。野球賭博もそうですけど、世の中のものはなんでもギャンブルにしようとするので調べ始めたらキリがないですね。
--現在、Hさんは(違法な)ギャンブルはされてないんですか?
辞めましたね。
--何故ですか?
辞める理由として一番大きいのは「お金の価値がわからなくなる」ってことですね。ちゃんと働いて給料を貰っても1日で全て無くなってしまうことがあったり、1,000円とか5,000円なんかの細かいお金を気にしなくなってしまったり、給料や自分で稼いだお金のありがたみがわからなくなってしまうんですよね。
そういう時ってお金が全部無くなるまで、気づかないんですよね。有り金が全部無くなってようやく「なにやってたんだろう」って思うんですよね。そんなことを何回も繰り返してたら、自己嫌悪に陥ってしまいました。
--ギャンブル依存症やないかい!
今思えばそうだったかもしれないです。
--それでも辞められなかったのかよ?
ですね、ですです。でも、ある一年間収支表を自分でつけたんですよ。そしたら合計投資額が1,450万円くらいで、合計回収額が1,500万円くらいだったんですね。
負けてないだけいいじゃんってよく言われますけど、1,450万円がいくらマイナスになるかわからないリスクに対して50万円しか儲かってないってのはハイリスクローリターンすぎるなと。もし、もっと負けてたらもっとお金を突っ込んでたかもしれないし。負けてないうちに辞めようと思いました。
--ギャンブルは辞めて良かったですか?
そうですね。僕がギャンブルにハマってたのはお金を稼ぐスキルがなかったからギャンブルしてたっていう説があって、そんなことよりなんでもいいので、お金を稼ぐスキルを身につけようっていう考えに至りました。
そのおかげで今の自分があるのでギャンブルは辞めて良かったと思います。ちなみに今はFXで負けています。
--ありがとうございました(いいのかこれで?)
今回は、違法賭博にハマっていたHさんにお話を伺いました。
Hさんは「世の中にギャンブルはありふれてるけど、胴元があの手この手を使って客を集め、カモにしようとしているのはどのギャンブルも変わらないかもね」と最後に笑って去って行きました。
最初は少しだけと思って少額を賭けていても、ハマっていくうちに後に引けなくなってしまうギャンブルの怖さは、胴元が合法でも違法でも変わらないのかもしれません。最後に、ギャンブルには中毒性があります。無謀な賭博は辞めましょう!
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