SNSを中心に広まり、今や社会現象(!?)にまでなっているパパ活。
パパ活のムーヴメントは止まることを知らず、最近では『パパ活用』を公言するマッチングアプリが多数存在し、街にはそれらの広告トラックまでもが走る始末。世も末だ。
そんな現状に嘆き苦しむ若い男性は少なくないはずだ。若さでは圧倒的に勝っていたとしても、経済力を始めたとした懐の広さは“パパ”とされるおじさん達には遠く及ばない。
「俺たちに勝ち目はないのか…」
悔し涙を流す若者男性たちよ、実はこんな朗報があることを知っていたか?
それは…『兄活』。
「パパの次は、兄かよ!安直だな!」といったツッコミが入るのは想定の範囲内。
何故なら、私も初めてこの名称を耳にした時は同じ感想を抱いたし、もっと言えば、男性あるあるの妹が欲しい願望が見え透いていたからだ。(この場合の”妹”には、諸説ある*)
セフレ「妹みたいに大事な存在だから」
セフレ「俺ら恋人以上の関係じゃない?」
セフレ「俺と付き合ってもお前は幸せになれないよ」#信用してはいけない言葉選手権— マドカ・ジャスミン@サロン始動 (@mdk_jasmine) January 28, 2017
*参考ツイート
さて、この新たなワード『兄活』について説明していこう。
パパ活の場合、所謂“パパ”である相手男性の年齢層は、基本的に30代後半以上が多い。メインは、40〜50代半ば。
それと比べ、兄活の“兄”の年齢層は20代半ばから30代前半と若い。まだぎりぎり肌にシャワーの水が弾く年齢だ。
つまり、世間でいうところの結婚適齢期というわけだ。
“兄”が相手する“妹”との出会いのきっかけは、SNS・大学やバイト先の後輩・飲み会や合コン・水商売に従事する“妹”のお店・マッチングアプリ…など、多岐に渡る。
その関係性は、一緒に食事をしたり、買い物をしたり、パパ活と大差は無い。
しかし、違いを挙げていくと、“兄”と“妹”は歳が比較的近いため互いに友達を含め遊んでも違和感が無いことや、“お小遣い”がタクシー代程度など、パパ活よりもライトな印象を受ける。また、歳の離れた男性と並んで歩くことに抵抗がある女性でも、特に人目を避ける必要なく、ストレスフリーな関係を保てる利点も大きい。
男性からしても、彼女ほど制約もなければ、友達よりも親密な関係は魅力的だという声を聞く。私からすれば、セックスなしのセフレといった印象が大きい。
ただし、デメリットで言えば、歳が近いと共通の知人がいる可能性がとても高いことだ。“兄”も“妹”も変な噂を立てられる危険が常に孕んでいる。実際に“兄”である友人の実例でいえば、本命の彼女に友達経由で“妹”の存在がバレて修羅場となった。
彼は「浮気でも何でもない」と主張していたが、本命の彼女からしたら浮気以外の何物でもない。言い訳がましい男性は、そもそもこんなことに手を出すことすら間違いなのに。
実は、私の周りには、兄活に従事している子が多い。中には、彼氏持ちなんていう子もザラにいる。
しかし、彼女たちが「兄活を兄活だ」と認識していることは実は少ない。冒頭で書いた兄活のきっかけが大学やバイト先の後輩・飲み会や合コンのパターンだと、最初は面倒見の良い先輩や仲が良い年上の友人といった認識から始まる。
なので、気づかぬ内に「いっつも食事を奢ってくれる」「終電があるのに毎回タクシー代をくれる」「誕生日でもないのにプレゼントを貰う」という流れで“兄”化している事例が多い。友人の女子大生Rちゃんはまさにこれで、しかも彼女は複数の“兄”を回し使いしているとのこと。
Rちゃんは言う。「ご飯担当、洋服担当、車担当って、それぞれ担当別なの」と。そして続ける。「おじさんは好きじゃないからパパ活なんて絶対にしたくない」「兄活なんて言葉は知らなかったけど、歳が近くてそこそこなヴィジュアルの男の人が優しくしてくれるから…」と、悪びれる様子はこれっぽっちも無い。
そもそも、自分が“妹”である自覚すら無いのだ。また別の“妹”なOLのKちゃん曰く、「アプリにもよるけど、マッチングアプリにいる小奇麗な男ってフットワーク軽いし、何故か皆揃って奢ってくれるんだよね」。
Kちゃんは、週末だけ会員制ラウンジで働いており、“兄”と同伴出勤することもあるそうだ。「よく連れて行ってくれるお店が港区だったり、歳の割には単価が高かったりしたら、8割ぐらいで同伴できるの!」。Kちゃんが言うに“兄”に水商売への従事を打ち明ければ、水揚げ*するほどの関係性ではないものの、「心配だから」と来てくれるらしい。ある意味のシスターコンプレックスも、ここまで来ると拗らせすぎた愛に驚くばかりだ…。
*水商売において、客がキャストとの交際や結婚を理由に、キャストが在籍するお店を辞めさせること。
日替わりで5人の“妹”と過ごす知人男性は、満足気にこう語る。「彼女を作ったとすると、週に何回会ってとか、週末はどこそこに行きたいとかうるさいじゃん?」「でも、“彼女たち”なら、変に生活へ干渉してこないし、好きな時に美味しいものを食べに行けるからいいんだよね」「お互い自由だから」
…で、出た!!!!お互い自由だから!!!!!!
正直ね、女性側からしたらただのラッキーなんですよ。若い男性が食事を奢ってくれる、お小遣いをくれる、物を買い与えてくれる。大人になっても存在したハッピーセットみたいな感覚。でも、それ以上でもそれ以下でもない。
対して、男性は何故こうも「精神で繋がり合う俺ら(キラーン)」を出してくるのであろうか。というか、自分の下心を下心だと自覚してないって怖すぎる。自分が善意に満ち溢れた脚長おじさんもとい、脚長お兄さんとも思いたいのか? 私がこうも憤るのは、いざ“妹”に彼氏ができると、急に“兄”の態度が豹変するといった話を耳にしたことがあるからだ。
間違いなく、下心を抱いていた動かぬ証拠だ。
というか、そんなにも自由でいたいの? 少しでも自分の枷となる関係なら構築したくないの? じゃあもう、社会生活からリタイアしたら?
恋愛だけじゃなくて、友人・家族・仕事…どんな人間関係においても、100%の自由なんてない。そんなに縛られるのが嫌ならば、一人で生きていけばいいじゃないか。
例え、“妹”だとしても、相手は一人間。そのことを忘れたら、絶対に良くないことが起きる。兄活をやるななんて偉そうなことは言わないけど、自分の所有物じゃなくて、一人の人間と接していることをきちんと肝に銘じるように。
後は、男女ともに自己責任。だって、お互いいい大人同士なんですから。
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