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【松村淳平 連載】「母は偉大だと感じた夏の日」

【松村淳平 連載】「母は偉大だと感じた夏の日」

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「一人、風邪をひいて寝込んだ時に気がついたこと」

小学校時代のある日のことを思い出していました。

夏の暑い日、仲のいい友人と2人で近所の墓地で遊んでいた時のことです。

墓地の一角に、エロ本が落ちていました。

土にまみれて少し汚れたエロ本の表紙には、大胆な姿をさらけ出すキレイなお姉さんが写っていました。

僕「おい!こんなところにエロ本があるぞ!!」

喜んで叫ぶ僕のもとに友人がかけつけてきました。

友人「おいまじかよ!淳平これ見たら変態だぞ!学校の皆にバラすぞ!」

あろうことか、友人は僕がエロ本を見ることを阻止し、見たら学校の皆にバラすと脅してきたのです。

 

僕の心は揺れました。

 

(学校の皆にエロ本を見たことをバラされるのは嫌だ・・・。)

 

(でもこのまま見ないのも嫌だ・・・。)

 

そこで、ある解決策を思いついたのです。

 

(そうだ!エロ本はここに置いたまま、この友人と解散してから取りにこよう!!)

 

僕「ま、ま、まぁそうだよね!こんなの見ない方がいいよね!帰ろう帰ろう!」

 

うまく友人をうながし、後ろ髪を引かれる思いで墓地を出ました。

 

しかし僕の頭の中はエロ本のことでいっぱいでした。

 

友人とはすぐに解散し、一目散に墓地へ戻ると本はまだそこにありました。

 

よっしゃ!もらった!!もらったぞ!!!

 

高鳴る鼓動を必死に抑えつつ、この場で見ていては同級生に見つかってしまう可能性もあるため急いで自宅へと向かいました。

 

全速力で走りました。早く見たい!早く見たい!!!

 

あの時ほど自宅が遠く感じたことはありません。

 

やっとの思いで自宅に着きインターホンを鳴らしました。

 

通学路に面した自宅だったので、今ここで誰かに見つかってしまっては全ての努力が水の泡になってしまう!

 

お母さん!!!早く出てくれ!!!!

ガチャッ・・・

 

母「はーい、おかえ・・・」

僕「!?」

母「ちょ・・・何その・・・本・・・」

僕「あぁぁぁぁ!!

息をきらして汗をかきながら玄関に立つ僕は、エロ本を握りしめたままだったのです。

何も言えずに驚いた表情で息子を見つめる母・・・。

 

5秒ほどだっただろうか。

 

静寂が僕たち親子を包んだ。

そして母が言った。

「男なら隠し事はうまくなりなさい」

 

母は偉大だと感じた夏の日でした・・・。

 

 

■アーカイブ
【松村淳平 連載】第1回:「ビリギャル男!?学年ビリのギャル男が早稲田に現役合格した話。」
【松村淳平 連載】第2回:「ビリギャル男が間違えて入った男子校で洗礼を受けた話。」
【松村淳平 連載】第3回:「お前、この半年何かした?」
【松村淳平 連載】第4回:「仕事と恋愛どっちが大事?答えは決まってんだろうが。」
【松村淳平 連載】第5回:「たった一人の彼女を本気で愛せない男はカスである」
【松村淳平 連載】第6回:「若者が丸くなって何が面白い?トガっていけよ!」

 

■ライタープロフィール【松村淳平 連載】「若者が丸くなって何が面白い?トガっていけよ!」松村淳平

高校2年生の頃にブログ広告枠の販売を行う広告代理店事業を立ち上げ、早稲田大学2年生の時に起業し代表取締役社長に就任。早稲田大学を卒業後、サイバーエージェントより1.3億円の出資を受けて株式会社WAVESTを創業し代表取締役社長に就任。

Twitter:https://twitter.com/junpei1114
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