前回の記事では、大手アパレル企業アダストリアさんの、渋谷ヒカリエにある本社オフィスを見学させていただき、あまりのオシャレさから今すぐにでも就職したい欲が掻き立てられました(笑)。
今回は、アダストリアで男子大学生を中心に大人気のブランド「RAGEBLUE」でプレスとして働く小野浩明さんにお仕事について、就職活動についてお話を伺ってきました!
――小野さんのしている「プレス」って、どんな仕事なんですか?
小野:自分の担当しているブランド(RAGEBLUE)を、たくさんの人に知ってもらう仕事です。雑誌に載せる洋服のリース(撮影用に衣装を貸し出すこと)とか、CMなどを通してより多くの人にブランドを認知していただくとかが主な役割ですね。
SNS関連も僕の仕事で、InstagramやFacebookにブランドの紹介をアップしたりしています。また、雑誌の撮影時には立ち合いもするし、タイアップ企画のモデルやカメラマンの選定もします。
――すごっ。プレスって華やかですね!
小野:たしかに、華やかな部分だけを切り取るとそう見える仕事かも。レセプションパーティーにお招きされてインフルエンサーや芸能人の方と一緒にお酒を飲んだりケータリングを楽しんだりっていうこともあります。自分は、そこまで得意ではないのですがね…(苦笑)。
――華やかなパーティーに参加できたりするのが、プレスの楽しさだったりするんですか?
小野:うーん…。それが楽しくないわけではないけれど、実際は華やかな仕事だけではなくて、制作物の校正をしたり、PRプランを立てたり、裏方の仕事が多いんですよ。自分が発信した情報に対して反応があったときに、ぼくはすごくやりがいを感じます。
例えば、SNSで投稿した内容に「いいね」がついたり、PV数がたくさん伸びてたり。あとは、撮影したものが、アウトプットとして出来上がってきたときとか。結果がでたときは嬉しいし、その結果をうけて試行錯誤するのも楽しいですね!
――アダストリアに入社を決めた際に、プレスになろうと決めていたんですか?
小野:入社当時はバイヤーといって買い付けがやりたかったんですよね。
学生時代にセレクトショップでアルバイトしていたから、一緒に働いてるバイヤーさんに憧れがあって。実は入社してから店舗勤務や、バイヤーも経験させてもらって、次に何がしたいかって考えた結果、プレスの仕事でした。もっといろんな人に、うちのブランドを知ってもらいたいなと思って。
――僕もプレスとして入社したい!!!
小野:新卒のほとんどは、最初は店舗での販売からスタートですよ。現場を知っている人が作るものって、ちゃんとお客様のことを考えて作られているから。売り場(現場)を知るって強みになるんです。
――僕だったら、店舗販売の時点でめげちゃいそう…。
小野:めげないためのポイントが2つあってね。ひとつは、プレスになりたいっていう将来的なビジョンを常に持ち続けること。もうひとつは、今いる環境で自分ができる最大限のことは何かって考えること。
この2つの軸を持っていたから、僕は入社してから今まで、苦じゃなかったかな。軸がブレちゃうと目標とする未来にたどり着かないから、どんな仕事でも自分のビジョンはしっかりと持っていたほうがいいですね。
――小野さんの平均的な1日のタイムスケジュールを教えてください!
小野:朝は8時に起きて、9時には家を出る。フレックス制ですが、10時には出勤するようにしています。午前中は前の日のタスクを整理する時間に使うことが多いですね。
昼以降は商品のリースやSNSの更新、撮影したブランドビジュアルの確認などなど。だいたい夜の8時から9時には家について、12時には寝る!って感じです。
――意外と自分の時間もあるんですね。飲みに行ったりはしないんですか?
小野:週に1回くらいですね。うちの会社は、ちゃんと帰る人がけっこう多いですよ。ぼくは子どももいるから、起きている時間になるべく帰りたくて。
――でもでも、定時に帰れるのって小野さんが優秀だからじゃないんですか? 大学生が思い描く会社員ってみんな残業してるイメージ…。
小野:そうかもしれません(笑)。でも、それぞれの役職によってやることって違うし、最終的に間に合えば問題ないので。ぼくはあまり残業をしないようにしています。
――ぼく、絶対に残業しちゃうタイプだな…。
――僕、いま大学3年生なんですけど、小野さんはどんな学生生活を送ってたんですか?
小野:THE・アルバイターって感じ(笑)。
今の仕事に繋がっているファッション(セレクトショップ)もそうだけど、飲食店とか運送会社の仕分けとか。就職したらできないことをアルバイトとして経験した感じ。最大5つ掛け持ちしたり(笑)!
――え、5つ?! それはアルバイターすぎます!
小野:朝はカフェ、昼は飲食店、夕方からはサッカーの指導員をやって、夜はバーテン。そのあとに、スーパー銭湯の深夜みたいな。
――いつ寝てたんですか、それ。
小野:ホントだよね…。当時は寝てなかったかも(笑)。
――そのスケジュールで学校に行けるのかという不思議!
小野:行ったり、行かなかったり…(笑)。 でも無事に卒業できたし、いろんな資格もも取りました!
――すげぇ…。典型的なハイスペックじゃん! (俺とは大違い…)
小野:スペックは別に高くなくて、学生時代にしかできないことを全力でやってた感じ。夏休みを有効活用したりしてね。
――その「学生時代にしかできないこと」って、なんですか?教えてください先輩!(切実)
小野:さっきのアルバイトもそうだけど、個人的には旅行ですね。
自由な時間を作れるのって学生のうちだけじゃないかなと思うし、学生ほど長い夏休みはないからね。
――確かに! 小野さんもいろんなところへ旅行されたんですか?
小野:3、4年生のとき、アジアを中心にバックパックしたよ。
――出たー! バックパッカー。僕の友達でも東南アジアに自分探しの旅に出た子がいます。
小野:東南アジアって物価が安いから、行きやすいんだよね。
――バックパックやってみてよかったことってありますか?
小野:よかったことしかないよ! 人の温かさを感じることができたし、お金の使い方や、やり繰りも勉強できたから。あとは、同じような目的でバックパックしてる日本人に現地で会えたこと。その子たちとは、今でも友達だよ。
仕事は「好き」という理由から広げていっても大丈夫!
――好きなことを仕事にするのって、好きなことが嫌いになりそうで怖くないですか。
ぼく飲食に興味があるんですけど、アルバイト先の社員さんが辛くなってやめていくのを見ていると、好きなだけじゃどうにもならないような気がしちゃって。
小野:でも、好きなことを好きでいられるのって自分自身の問題じゃないかな。嫌って思うことがあったときに、“どうやって楽しくしようか”って考えることが大切だと思うんだよね。苦手意識があることや興味がないことを続けるほうがしんどい。もともと好きなことは、軸がちゃんとある限りなかなか嫌いにならないものだよ。
――そういう考え方もあるんですね。ちょっとだけ前向きになれました。そのなかで、就活時代にアダストリアを選んだのはなんでですか?
小野:アダストリアってGLOBAL WORKみたいなファミリー向けのブランドもあれば、RAGEBLUEみたいに若い子に特化したブランドもあって、幅広い年齢層に対応してるじゃない? そういうところで自分の力を試してみたいなって思いました。
――他の会社は受けなかったんですか?
小野:5〜6社は受けたよ。それこそ、会社説明会はもっと行ったかな。
――でも、会社ってたくさんあるじゃないですか。それこそ、有名なところもそうじゃないところも。なにを基準にして、選考を受ける会社を絞ったんですか?
小野:会社単位で見ないで、業界など、大枠で絞っていきました。サービス業のなかでもファッション業界で働きたいって決めてたから、ファッション系の会社の話を聞きに行っていた感じ。
国広君は、どんな業界に興味あるの?
――まだなにも決まっていませんが、サロンモデルをやってるので、髪の毛に関係ある会社とかいいなと思って。
小野:そっか。じゃあ、シャンプーやトリートメントみたいなヘアケア系の会社とかヘアカット用のハサミを作ってる会社とかいいかもしれないね。あとは、ヘアサロンの空間プロデュースとか。
――なるほど。そうやって興味ある分野から業界へと広げていくんですね。
小野:そうそう。会社って本当にたくさんあるから。
説明会に参加するのは、本当に大事。業界における会社の役割が分かるし、会社が求めていることが分かるし、業界や仕事のことを知る過程で、自分のやりたいことも改めて見えてくるからね。
――小野さんはOB訪問とかインターンって、どうされてました? 友達はみんなインターンに行ってるから、行かなきゃいけないのかなって気はしてて…(行ってない)。
小野:僕はOB訪問もインターンもしてないよ。アルバイトでいろんな経験をした自信があったし、どちらかというと自分に目を向ける時間を増やしたいと思って。結局、会社が求めてるのってその人の個性や意志だと思うんだ。今と少し時代が違うっていうのはあると思うけど、行きたい会社の選考にインターンが含まれるならそれはしなくちゃいけないけど、何をしたいかをしっかり考えることが大切だと思うよ。
――ちなみに僕、面接が苦手なんですよ。小野さんは就活の面接でも緊張しなかったですか?
小野:自分の意思や考えを固めて面接に挑んでたから、全く緊張しなかったね(笑)。
面接って会社が望む模範解答をする必要はなくて、自分がやりきることが大事なんだと思います。やりきってダメだったら、ご縁がなかっただけのことだと思うから。
――なるほど…。僕は、まず自分の強みもわからないんですよね。スポーツをがんばってきたわけじゃないし、暇な時間を作るのが苦手で毎日バイトをいれてるくらい。どうやったら強みって見つかりますか。
小野:自分の人生を1回整理して、ひとつの事柄を掘りさげてみる。ぼくであればスポーツを10年やってたとか、いろんなバイトを経験したとか。自分のなかで、得意なこととそうじゃないことをわけて考えていたよ。苦手なことのほうが出てきやすいとは思うんだけど、それは「今後がんばりたいです」ってポジティブに言いかえてみてもいいし。
――いわゆる自己分析ってやつですね…。あと、趣味! 面接のときって趣味をきかれるじゃないですか。人に話せるような趣味ないんですよね…。
小野:何をしてるときが楽しい?
――お酒を飲んでるときですかね。
小野:そしたら、趣味は「お酒を飲むこと」でいいと思うよ(笑)。
――小野さん、めんどくさくなってませんか?
「あいつ、酒飲みとかパリピやん」ってなりそう…。
小野:そんなことないでしょ(笑)。大切なのは経緯だから。
国広君、毎日アルバイトを頑張ってるんだよね? だったらそれでいいじゃん。「1日も休まずバイトをすることで、仕事終わりにお酒を飲むことが趣味になりました」って。
すごくアルバイトを頑張ってるんだなって思える、素敵な趣味だと思うけどな。
――小野さんは新卒から今までアパレル業界で働いてみて、会社や業界に対するイメージって変わりましたか?
小野:変わってないかな。アパレル業界に入ったのは、たしかに憧れからなんだけど、入社前の準備の段階で会社についてちゃんと把握していたから。
ぼくは8年間ここで働いてるけど、会社に対するイメージは良くしかなってないよ(笑)。
――でも、ほら。みんな会社員って「つらい、つらい」って言うじゃないですか。
小野:そこまで「つらい」って本当にあまり感じたことがないんだよな…。
しいていうなら、学生の頃はなかった会議や打ち合わせが苦痛かも(笑)。受け身になって働いてしまうとつらいんだろうね。主体的に動いていくと、楽しいことのほうが多いと思うよ。
――マジでかっこいいっすね! ちなみに、小野さんは大学3年生の夏休み(ちょうど今頃)って何してましたか?
小野:自由に遊んだりバイトしたりしてた気がする。就活にもまだ本腰をいれてない時期だったし。
――安心します。最近は、もう就活に動いている子がいて焦る…。
小野:まわりに流されないほうがいいんじゃないかな。安心しすぎなければ自分のペースで大丈夫だよ。
――いまのところ、何も記憶に残らない夏休みになりそうで不安なんですよね(笑)。今日、こういう機会があって良かったです。
小野:自分がその過ごし方を肯定できれば、どんな過ごしかたでも記憶に残るから、「バイトしかしなかった」でも十分。
みんながやってるからやる必要はなくて、やりたいことをやるのが一番だよ。
――小野さん、今日は本当にありがとうございました。
男子大学生なら誰もが知っているアパレルブランド「RAGEBLUE」でプレスとして働く小野さんは、大学生の僕から見ても仕事を楽しんでいる憧れの社会人でした。
大学3年生、まわりが就活モードに切り替わり、相手の進捗状況を聞いて危機感ばかりが増しますが、大切なことは、就職はスタートラインだということ。自分の将来について、自分自身との対話がスタートした夏休み。今回のインタビューが、これから始まる就活に向けての1歩目になりました。大学生の皆さん、頑張りましょうね!
こんな機会ってそうそうないので、アパレル業界志望の大学3年生のみんなが気になっているであろういろんな質問をアホなふりして聞いてみました!
――アダストリアさんには、どんな職種がありますか?
担当:当社社はSPAというビジネスモデルをとっていて、生産から販売まで社内で一貫して行っているのでいろんな職種の人が働いています。
商品企画、生産、物流、販売、販促、管理部門など、アパレル業界にある様々な職種に携われる会社です。
――アパレル業界ってお給料が安いイメージなんですけど、実際のところお給料ってどうなんですか(震)?
担当:具体的な数字はお調べいただきたいのですが、業界内では水準以上だと言われます。
――アパレル業界で働くために、学生時代からしておいたほうがいいことってありますか。
担当:常に新しいコト、モノにアンテナを張っておくこと。昨年流行したアイテムが今年も流行するかといわれるとそうでないことも多いので、日ごろから広い視野を持っているといいかもしれません。販売業にフォーカスを当てるとすれば、業界問わずいろんな方の接客を受けると勉強になるかと思います。
――就活時に学力って、どれくらい重視されますか?
担当:人物重視の選考を行っているので、当社の場合はあまり重視してません。
――私服面接って、どんな服装がベストですか?
担当:アダストリアは「ファッションと人生を楽しみ、個性にあふれた世界をつくる。」を企業ミッションに掲げてあり、「Play fashion!」というコーポレートスローガンがあります。弊社の場合、みなさんが思う「Play fashion!」なスタイルでお越しいただ来たいですね。
――面接で印象に残るには、どうしたらいいですか?
担当:相手が話してるときは笑顔で聞き、話し手になった際はあかるくハキハキ話すことはもちろんですが、「Play fashion!」していると感じる学生は印象に残ります。
――インターンの期間や内容について知りたいです!
担当:インターンは、販売・転調・MDという3コースです。1日かけて仕事をしていただくことになっています。販売コースでしたらロープレをしたり、MDコースでしたら商品企画に挑戦いただいたり。8月から来年2月にかけて随時開催予定ですので、まずはリクナビ2020とマイナビ2020からプレエントリーをお願いします。
小野 浩明 レイジブルー営業部 アシスタントマネージャー ストアプレス
2010年4月入社、レイジブルー天王寺店に勤務。2012年3月より同ブランドMDを経験したのち、2015年6月より現職のプレスとして活躍している。