こんにちは! MTRLモデルのちひろです。
少し前、家に「まいなんばー(?)」っていう12桁の数字が届いたんですが、こんなの普通、覚えられないですよね? でも俺、すごい語呂合わせを開発しちゃったんですよ! あまりに覚えやすいのでMTRL編集長に教えてあげたら……。
怒られました(ガチで)。
編集長のように撮影とかのお仕事を一緒にしている相手には教えていいみたいですが、他の人には気軽に教えちゃいけない大事な数字らしいです、コレ。でも、同じMTRLモデルのみのるに聞いてみたら、「マイナンバーなんて知らない、親が何か言ってたわw」とか言うし。
このままだとヤバくね? ということで、俺とみのるは編集長に呼び出され、政治家でブロガーのおときた議員に会いに行くことに。おときた議員は「ギャル男でもわかる」ように政治のことを解説してくれる先生です。
【ギャル男でも分かる政治の話 前編】おときた議員に安保法案のキホンを分かりやすく教えてもらった!
【ギャル男でも分かる政治の話 後編】おときた議員に安保法案のキホンを分かりやすく教えてもらった!
到着したのは東京都の都議会議事堂。スゲー、一生来ることないと思ってた。スーツ姿の大人たちに囲まれてソワソワしつつ、早速お話を伺ってきました!
おときた議員(以下、おときた):さて、2人は「マイナンバー」というものがあるのは知ってる?
ちひろ:はい、風のうわさで。
▲マイナンバーについて聞きに来たギャル男・みのる(左)とちひろ(右)
おときた:もう、とっくにマイナンバーは交付されているんだけどな……じゃあ、マイナンバーがあると、どうなるかは?
みのる:なんか、貯金残高がバレるって。ヤバイじゃんって。
おときた:バレてヤバイようなことしてるの?!(笑)
みのる:してません! そういう意味じゃないです!(笑)
おときた:まあ、2016年時点では貯金残高がバレるというのはウソ。だけど、今後はどうなるかわからない。
みのる:えっ、やっぱりバレるんですか?!
ちひろ:そもそも、マイナンバーって一体何なんですか?
おときた:そうだね、まずはそこから説明していこうか。
▲おときた議員
おときた:ハタチくらいになれば、サイフにはカードもたくさん入ってるよね?
ちひろ:ポイントカードとか、会員カードとか。
おときた:そのカードの種類と番号、全部覚えてる?
ちひろ:覚えられないっす! 記憶力に自信がないので。
おときた:そう、われわれだってそうなんだ。これが国レベルになると、誰がどんなカードを持っているか、もっと覚えられないよね。国民は1億人くらいいるわけだから。
みのる:うわあ、面倒くさそう〜。
おときた:そう、管理が面倒くさいんだ。国民も管理が大変、国も管理が大変、だから国が関わるような特定の個人情報については、ひとつの番号でまとめちゃおう、というのがマイナンバーだ。
ちひろ・みのる:なるほど!
おときた:マイナンバーの主な目的には、社会保障と税と災害対策の分野で、手続きにかかる役所・個人の時間と労力を共に軽減することがある。また、不正に納税を免れたり、給付を受けたりするのを防止することもできるんだ。
ちひろ・みのる:???
おときた:ちょっとハードルを上げすぎたか……じゃあ、いつも通り何かに例えましょう。
前回はエグザイルと童貞の恋愛に例えたんだけど……、2人は、漫画は読む?
ちひろ:ジャンプ系は読んでます!
おときた:おお、いいね。ジャンプの漫画で好きなのは?
みのる:『スラムダンク』!
おときた:よし! じゃあ、『ドラゴンボール』で例えよう!
ちひろ・みのる:(無視かよ……)
※以下、厳密には原作と異なる部分がありますが、マイナンバーを理解しやすくするための例としてご理解ください
おときた:ドラゴンボールのナメック星編を思い出してほしいんだけど、宇宙はフリーザ軍団が支配しているよね?
ちひろ:はい、サイヤ人とかナメック星とか。
おときた:フリーザの部下にも、それぞれの担当や役割があったはずだ。
みのる:変なポーズとる人たちですよね。
ちひろ:(検索しながら)リーダーがギニューで、そのさらに部下がリクーム・バータ・ジース・グルド……。
おときた:うん。ここで、フリーザを国、ギニュー以外のフリーザの部下をいろいろな役所、サイヤ人とかナメック星とかを国民だとしよう。
ちひろ・みのる:わかりました!
おときた:フリーザはたくさんの惑星を支配しているから、部下の仕事がどうなっているか、いちいちリクームとかバータとか、一人ひとりに聞くのは面倒くさい。しかもギニュー以外のフリーザの部下は仕事に時間がかかるし、あまり優秀じゃない。だから、フリーザはブチ切れた。
みのる:怒りっぽかったもんな。
ちひろ:でも、声は高いよね。
おときた:さて、ギニューの特技は何だった?
みのる:(スマホで検索しながら)えーっと、ボディー・チェンジっす!
おときた:そうそう、ギニューはボディー・チェンジができる。つまり、精神はそのままに、相手の肉体と入れ替わることができるんだよね。
みのる:たしか、カエルになってた!
おときた:だから、フリーザの部下がそれぞれどれくらい宇宙を侵略したか気になったら、フリーザはギニューにだけ聞けばいい。だって、ギニューはリクームとかバータとかに自由に変身して、情報を手に入れてきたり、いざとなれば一人でフリーザの命令を実行したりできるから。
ちひろ:面倒くさくない!
おときた:そう、フリーザにしてみれば、仕事がめちゃくちゃスムーズになる。このギニューが、今回のマイナンバーだ。
みのる:ギニューによって、サイヤ人やナメック星はどうなりますか?
おときた:これまでリクームとかバータとかと個別にやりとりをしていたのが、ギニューだけに話を通せばよくなるから、便利になるよね。これ、現実世界だとどうなる?
ちひろ:えーっと、国はマイナンバーによって、あちこちの役所にある国民の情報を一度に管理できるんですね。
みのる:で、国民も、あちこちの役所を回って書類を集めなくてよくなるんですね。
おときた:そう、これがマイナンバー制度の目的だ。マイナンバー制度の導入には別の目的もある。ギニューが持ってるスカウターは超高性能なんだ。
ちひろ:スカウターって、戦闘力を測るヤツ?
みのる:片目だけのサングラスみたいな。
おときた:ギニュー以外のメンバーは孫悟空の基本の戦闘力しか見えない。でも、ギニューなら悟空の潜在能力までわかる。だから、「10倍界王拳」のように、本当は悟空がどれくらいまで戦闘力があるかわかってしまう。
ちひろ:ギニューのスカウターによって、フリーザに隠し事をしていたのがバレてしまう……?
おときた:そう、マイナンバーによって、例えば、本当はもっと税金を払えるのに、誤魔化している人が誰かわかってしまうようになるんだ。
ちひろ:でも、本来は別に悪いことではないですよね? フリーザならともかく、税金は本当は払わなきゃいけないものだから。
おときた:そう、今は普通のスカウターでも見えやすい人ばかりがたくさん税金を払っていて、本当は払えるのに払っていない人がフリーザにはわからないから、公平じゃなかった。
みのる:それでフリーザはブチ切れたのか〜。
ちひろ:いいことばっかりのような気がするけど、何か問題があるんですか?
おときた:マイナンバー制度に反対している人たちは、漏洩や悪用が反対の理由のようだね。
みのる:ギニューを捕まえたら、個人情報が全部バレちゃうから?
おときた:ボディー・チェンジしないかぎりは個人情報にアクセスできないから、ギニュー、つまりマイナンバー単体では他の個人情報はバレないよ。
ちひろ:リクームを直接捕まえたら漏洩しちゃいますか?
おときた:マイナンバーと結び付いている個人情報(例えば免許証や保険証の内容)がリクームだとすると、リクームが直接捕まる、つまり免許証なんかに紐付いている氏名や電話番号、住所が直接流出するというのはあり得るけど、それは制度があってもなくても同じだよね。
ちひろ:あ、たしかに。
おときた:でも、ギニュー単体なら捕まえても意味がなくても、サイヤ人やナメック星人たちを特定できる情報、つまり氏名や生年月日なんかと一緒に捕まると、ギニューが変身できる条件がそろってしまうから、色々な情報にアクセスできてしまう。
ちひろ:自分のマイナンバーを不用意に他人に教えちゃいけないのは、マイナンバーと個人情報が結び付いてしまうからか……。
おときた:そうだね。手に入れた情報は売られたり、なりすましに使われたりすることもある。マイナンバーの通知カードはもちろん、申請すればもらえて身分証明書になるマイナンバーカードは特に、やり方によっては単体で悪用できる可能性があるので、紛失には注意しないといけない。
ちひろ:サイフを落とすリスクがかなり上がるな……。
みのる:フリーザがちゃんと管理してくれるのかも不安だよね。そもそも、プライバシーを覗き見されているようで、何かイヤだなあ。
おときた:国の管理への不安はもちろんある。でも、こういう個人情報はただ単にバラバラになっていただけで、すべてすでに役所にあるんだ。それを一括で管理できるようにしただけだから、現時点ではプライバシーの部分で反発するのはあまり意味がないかな。
みのる:なるほど、わかりました!
おときた:もちろん、貯金残高とか、これまで民間にしかなかった情報を、国がチェックできるようになるのは、気分がよくないだろうけど。
みのる:さっき、貯金残高ももしかしたら、って言ってましたよね。
おときた:うん、繰り返すけど、マイナンバー制度は国が国民のお金のやりとりを必要に応じて把握するための制度でもある。そうすると、銀行口座にどれくらい貯金があるかは国も把握しておきたいよね。貯金0で年収150万円の人と、貯金1億円で稼ぎ0円の人、どちらから税金をとるべきだと思う?
ちひろ:それは、貯金1億円ある人からとってほしいです……。
おときた:うん、だからやがては貯金残高も把握されるかもしれない。マイナンバーが利用できるのは、現時点では社会保障と税と災害対策の分野だけということになっているけど。
――フリーザ(国)が、今まで免許書や保健証など個人情報としてバラバラになっていたものがギニュー特戦隊(マイナンバー)となり、あちこちから情報を集めなくてもよくなる。だから、フリーザ(国)の負担が楽になる!
では僕たちの負担やリスクは結局増えるの?
【ギャル男でも分かる社会の話 後編】おときた議員にマイナンバーについて聞いてみたら意外と俺らもヤバかった
おときた駿
1983年9月21日北区王子本町生まれ。いなり幼稚園、北区立王子第二小学校卒の生粋の北区民。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
Twitter:@otokita