<前回のおさらい>
『ギニュー(マイナンバー)によって、フリーザ(国)の仕事がサクサクに! どうなるナメック星』
みのる:これまではマイナンバーがなくても何とかなっていたのに、導入されたのはどうしてですか?
おときた:それが、何とかなっていなかったんだ。「消えた年金問題」って知ってるかな?
ちひろ・みのる:(顔を見合わせて)聞いたことがあるような、ないような。
おときた:……年金は知ってるよね?
ちひろ・みのる:知ってますよ! さすがに!
おときた:ごめんごめん(笑)。じゃあ、地球に「おときた」という地球人がいるとしよう。おときたさんが役所に提出した書類のうち、住民票のおときたさんAと、保険証のおときたさんBが同一人物であることは、どうすれば証明できるだろう。
みのる:えっ、それは、写真とか。
おときた:住民票や保険証には写真はないよ。
ちひろ:じゃあ、生年月日とか!
おときた:そう、名前以外にも生年月日や住所、性別の4つを組み合わせて、同一人物である可能性を限りなく100%まで上げていくんだ。
ちひろ:じゃあ、おときたさんが地球からナメック星に引っ越したとして、ナメック星にもともとおときたさんがいたら、どちらもナメック星のおときたさんだよね?
みのる:あ、住所で判定できなくなってしまう。
おときた:もちろん国は「おときた」「ナメック星」なんてざっくりした条件で判定しないだろうけど、あちこちに分散している個人情報をいくつか照会して身元をたしかめるという方法は、間違いが起きるおそれがある。
ちひろ:もともと完璧じゃないんですね。
おときた:うん。それが実際に起きて、どれが誰の年金記録かわからなくなってしまったのが、「消えた年金問題」だ。誰がいくら積み立てているか、わかんなくなっちゃった。
みのる:せっかく払ったお金が消えたらイヤだもんな……。
おときた:でも、引っ越しで住所が変わっても、結婚で名前が変わっても、そこに通し番号みたいなものがあれば、おときたさんAはおときたさんAだとわかる。マイナンバーの導入には、そういう背景もある。
ちひろ:でも、ぶっちゃけ、俺たちくらいの世代には、実際どのくらい関係があるんですか?
みのる:まだあんまり、役所に書類とかも取りに行かないし。
おときた:うん、それについて説明すると。
ちひろ・みのる:はい。
おときた:まだ、メリットはほとんどない。
ちひろ・みのる:ええーーーっ。
おときた:来年からは『マイナポータル』というウェブサイトで、行政などに保管されている自分の個人情報を自由に閲覧できるようになったり、若者なら若者世代に合った行政サービスの案内が来たりするけど、実際、使わないよね?
ちひろ:あんまり、イメージつかないです。
おときた:うん、正直そうだと思う。だから、どちらかというと、負担が増えるかな。二人はモデルの仕事をしていると思うけど、アルバイトでも、雇い主からマイナンバーの提出を求められたら、従わなければいけない。
みのる:えっ、絶対ですか?
おときた:うん、絶対だね。国民全体をスカウターで見る制度だから、お金の流れがあるところにはすべて、マイナンバーが登場するようになる。そうなると、ギャラをもらうときは、請求書のやりとりが必要になるだろうしね。
ちひろ:面倒くさくなくするための制度なのに、かえって面倒くさい。
おときた:それはそうだね、というよりも、これはフリーザ軍団のための制度だから、われわれの負担は基本的に増えるんだ。
みのる:キャバでバイトしてる女の子とかも、マイナンバーをお店に提出するのかな。
ちひろ:現金でもらえばバレないんじゃない?
おときた:マイナンバーが導入されたことで、誰が誰にいくら払ったかを、国に完全に隠すことはできなくなる。キャバ嬢や送りなどの夜の仕事でも、大事な個人情報のマイナンバーを提出することになるだろうね。
みのる:負担とかリスクばっかりかよ……。
おときた:そう言うなよ。宇宙は全員で支えていかないといけないんだから。フリーザ軍団がいくら凶悪で不満があるからって、明日からフリーザ軍団なしで宇宙を維持していことはできないんだ。みんなが少しずつ負担をすることで、この社会が成立しているってことを忘れちゃいけない。
ちひろ:でも、フリーザ軍団がちゃんと仕事してくれるかどうかって、簡単には信用できないですよね。政治家って、ウソばっかりついてるイメージがあるし。
おときた:その通り。この制度がきちんと活用されるかどうかは、政治家や行政、つまりフリーザ軍団がいかに国民たちに信頼されるかが重要なんだ。
みのる:いきなり知らない人たちを信頼しろと言われても、難しいなあ。
おときた:そこは政治の責任でもある。マイナンバーで国民たちの情報を引き出させる以上、政治家はよりオープンに情報発信をして信頼を勝ち得ていかなきゃいけないよね。僕のように、童貞喪失年齢を赤裸々に公開できるくらいの政治家が、もっと増えなきゃダメだ!
ちひろ・みのる:(それは別に知りたくない……)
※マイナンバー制度で、童貞喪失年齢はわかるようになりません
ということで、おときた議員にマイナンバーのことをいろいろ教えてもらいました!
すでにみなさんのマイナンバーも、住民票に記載されている住所に届いているはず。「まだ来てない」という人は、家族が受け取っている場合もあるので、聞いてみましょう。
■アーカイブ
【ギャル男でも分かる政治の話 前編】おときた議員に安保法案のキホンを分かりやすく教えてもらった!
【ギャル男でも分かる政治の話 後編】おときた議員に安保法案のキホンを分かりやすく教えてもらった!
おときた駿
1983年9月21日北区王子本町生まれ。いなり幼稚園、北区立王子第二小学校卒の生粋の北区民。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
Twitter:@otokita