--あなたの友だちは、あなたに言えないことで、悩んでいるかもしれない。
MTRL読者は、10月11日がカミングアウトデーであることを知っているだろうか? カミングアウトデーは、自分がレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)などであることをカミングアウト(周囲に表明)した人々を祝い、周囲の人々の認識向上を目的とした記念日だ。
世界中でお祝いのイベントがおこなわれるカミングアウトデーを前に、MTRL編集部では、MTRL世代のLGBTがどのくらいカミングアウトしているのか、また、渋谷区の同性パートナー条例成立のような動きをどう思っているのかを調査する街頭インタビューを、LGBTの識者の監修のもと実施した。
調査に協力してくれたのは合計10人、19〜28歳の男性で性的指向はゲイ。調査は休日夜の新宿二丁目の路上で実施した。今回は、そのうち6人を抽出してご紹介する。カミングアウトしているLGBTが周囲にいない人、LGBTのことをよく知らないという人は、ぜひ同世代のリアルな声を聞いてほしい。
楽になりました、やっぱり。隠していること、言えないことがあるのはやっぱり苦しいので。
自分が思っていたより、周囲は気にしていないとわかってよかった。
わたし自身はそれほど気にしてなかったんですが、ある程度仲良くなってからのほうがいいかもしれません。
飲んでるときとか、堅苦しくないときがいいですね。「話があるんだ」とか言われると、身構えちゃいますから。
自分がゲイだと気づいたときに、自分のことが好きじゃなくなりました。カミングアウトしてからはだいぶ、そんなこともなくなったけど、自分のことが好きだとは言えないです。それでも毎日楽しいのは、友だちのおかげかな。
自分はちょっと違うんだなとは思ったけど、キライにはなりませんでした。カミングアウトしたら友だちが離れてしまうかと思ったけど、そうではなかったので「こういう自分もいていいんだ!!!」と、僕はけっこう簡単に受け容れられました。
パートナーシップ制度はよいことですね。渋谷区以外にも広がってほしいです。
新しいことを受け容れる時代になってきていると感じます。ただ、僕はそれでも、カミングアウトはしないつもりです。社会が変化することと、自分がカミングアウトすることは、まったく別の問題なので。
一応そんな感じにはなってるけど、世間的にはそんなに認められていない気がします。偏見とかはまだある。
LGBTの権利が認められるのはいいことですが、本当に社会に認められるのかはわかりません。(渋谷区のパートナーシップ制度などの)情報はあんまり追いかけてないです。興味があまりなくて。
Aさん(20歳・専門学生/カミングアウト済)
もっと早くカミングアウトすればよかったかな。
Bさん(28歳・福祉/カミングアウト済)
思ってたよりも、わるくないよ?
Cさん(20歳・大学生/カミングアウト済)
もうちょっと前向きでもいい。
Dさん(19歳・大学生/カミングアウト未)
何も変わらなくていい気がしている。
Eさん(24歳・保育士/カミングアウト未)
そのままでいいわよ。
Fさん(20歳・大学生/カミングアウト未)
ゲイでもふつうに楽しいかな。
人と違うことはあたりまえなのに、LGBTについての話題になると、その違いを特別なもののように扱いがちだ。ただし、無理に理解しようとする必要もないのだろう。ストレートでもLGBTでも関係なく人が入り混じり、わいわいと賑やかにお酒を酌み交わす新宿二丁目は、人と人とがどう付き合うとみんなが幸せになれるのかを教えてくれた。