前編・中編・後編の3部構成でお届けしているMTRL読者から大好評のVANQUISH石川涼インタビューも今回で最終回!
―― : 今ハマっていることはありますか?
石川 : カメラくらいかなぁ。
―― : 話は変わりまして、食事するとき「相手が誰でもデニーズに来させる。お酒飲ませないでセックスする」と別の対談で答えられてましたね。普通は、ヤレる確率を高めるために、とにかく強いお酒を女の子に呑ませようとしますが。
石川 : その話聴いてるだけでも犯罪だよね!必要ないじゃん。俺は基本呑みもしないね。セックスしかしない。自慢でもなんでもないけど、誰を断るかが、もうルーチンワーク(※1)になっているね(笑)
――:じゃあ、そもそも世の男どもとは悩みのレベルが違うということですね?(笑)
石川 : そんな偉そうなことじゃない(笑) 断るほうが多いけど。ただ、文字だけになると、嫌な奴に聞こえちゃうね(笑)
―― : 基本相手が誰だろうとデニーズに連れていく。というのはどういう意図でですか?
石川 : 時間を無駄にしたくない!
――: 恋愛には、いくつかステップがあると思うんですけど、恋愛必勝法とかハウツーは本当に無駄だと思います。
石川 : 本当無駄なことが多い!人生において恋愛の駆け引きほど無駄なことはないね。
―― : 人生の時間を無駄にしたくないというのが強いんですね。ネットや雑誌では、エスコートとか口説くテクとかを紹介されていますが?
石川 : 全部嘘。ハウツーは全部嘘だね。SNSとかでカップルで写真あげている人はマヂきもい!「ずっと一緒だね!」みたいなのは、ほんとキモい……
―― : 感覚が違うかもしれないですね。ただ、モノづくりにおいては、そういった人もないがしろにできないと思います。
石川 : なるほどね。ただ、本質的に間違っていると思う。カップルに関しても。あんなこと(ずっと一緒だよ)とか言って、3ヶ月後には別れている。
―― : わかります。断言できますよね!そういう人たちはすぐ別れるって。
石川 : それでまた違う彼氏できて、同じこと書いてほんとにおかしい!facebookでつながっている子で、「こんなに人を好きになったことない♥」とアップしときながら、「涼くん、今日セックスできる?」とLINEガ来たりする。ヤキモチとか一切ないし、まぁ空いていれば「じゃあしようか。」ってなるし、全然いいんだけど、じゃあ、いつも言っていることは全部嘘だよねっ!?となる。永遠の愛とかないし。
―― : ハウツーもカップル動画も全部嘘!(笑)
世の中の恋愛ハウツーをバッサリ切り捨てる石川氏。
―― : 以前、反響があった「The rule of play boy」(※2)について、ここで改めて確認しておきますね!
一つ とにかく仕事を半端無く頑張り結果を出し続ける
一つ 「絶対に付き合わないけどやりたい」と始めから伝える
一つ 少しくらいは強引な方がいいけど決して無理はしない。
一つ 見栄と嘘は犯罪。
一つ 一回したくらいで「自分の女扱い」はしない。百回してもしない。
一つ ヤキモチは重罪(相手に彼氏がいようがいなかろうが束縛は死刑に値する)
一つ 「なにしてる?」「会いたい」も厳禁。(「やりたい」はOK)
一つ 相手のプライバシーは絶対に守る。(女の子に噂されるのはOK。むしろ光栄です)
一つ 相手の要望に答える。(「付き合いたいんだけど」以外の相談にはのる)
一つ 二泊三日以上は一緒にいない(毎回フレッシュな関係でいられる)
一つ 記念日に特定の人と過ごしてはいけない(本当に相手の気持ちに答える気がある場合は可)
一つ 物より体験をプレゼントする。
――: MTRLについてですが、タグライン(※3)が「明日のモテるを配信中!」で、VANQUISHのコンセプトも“モテ”だと思っています。ただ、「モテの定義」が曖昧だったりしますよね。石川涼の考える「モテの定義」とは?
石川 : なんだろう?「モテって生命力だね!」生物として、女子は、優秀な男子が好き。優秀な男子の遺伝子が欲しいから、生命力ある人が好き。究極この人の遺伝子が欲しいと、本能的に感じるものだと思う。ビジュアルも生命力とつながってて、この人の子を産みたい!と思えるのも、モテのひとつの要素だと想うね。
――: それでは、ここでモテを定義したいと思います。
石川 : 「モテとは生命力だ!」
――: 少し前に、「病弱系男子が流行っている。」ともいわれていましたが?
石川 : ないないない!てか潰すっ!て感じ。それは絶対、モテてない!勝手に言ってるだけ。完全にマイノリティー。生物だから、そんな奴の遺伝子なんて欲しくない。色んな時代の流行があるけど、“生命力のない男子”には興味ない。踏み潰す!
モテへの鍵は「生命力」と豪語する石川氏。
―― : 今の若者は、情報が多すぎて選びきれないという状況によく陥るようですね。自分の考えたコーデの答え合わせをメディアを通してやっているという感じですよね。WEAR(※4)を見てみよう!みたいな。
石川 : 本当にココからは、洋服屋さんは生き残りがかかっているから、必要なものとして、俺らが生き残れるかどうか。数少ないブランドの中に、自分たちが残れるかどうかに掛かっている。
―― : 涼さんにとって、渋谷はどんな存在ですか?VANQUISHのスタートの場所だし、何か思うことがあるかと。未来に対して期待することなどもあれば。
石川 : ここ数年で、海外50カ国くらい行ったんだけど、ヨーロッパの古くからの街並みを以外は、ほとんど街の中心地が変わってないんだよね。H&M、ユニクロがあってみたいな。東京もそう。渋谷、原宿、新宿、池袋どこ行っても、だいたい目に入ってくる看板は一緒でしょ?それが、いいことなのか自分でも分からない。東京に出てきた20年前は、渋谷に買い物に行くのも怖い人がいっぱいいるから、気合がいるんだよね。店員の態度もデカイし、普通にカツアゲとかしてくるし。それが良かったわけではないんだけど、もっとそれぞれの街に特徴があったね。上野、渋谷は本当に危なかった。危険なのは良くないけど、街が均一化されていくのは、ちょっと寂しい感じはするね。
―― : 前までは渋谷系ファッション誌で、少し馬鹿な企画をやっても許されていたけど、周りの見る目が変わってきたのかな?と思います。
石川 : 「渋谷」って、昔みたいに危機感持って行かないといけないくらいの、「イケてる奴しかいない街」でもいいよね。
――: 誰も損しないですよね。
石川 : そうそう!ほんとそう。
―― : Twitterの「少年よ、大志を抱け!努力を惜しむな!」という言葉が好きです。ただ、最近は大志を抱けなくて、ぶっ飛んだ夢を持とうしない人が多いのかなと。涼さんの考える、「人生のビジョンの持ち方」や、「努力の仕方」を教えていただきたいです。
石川 : 教えられないんだよねぇ。
―― : !! 今の子たちって最初は、ロールモデル(※5)が必要で、その人に近づきたくて、背伸びして努力するのかなと思いますが。
石川 : 手を差し伸べたこところで、本人たちが必要としない限りは、意味ないんだよね。無駄!無駄だよね。それに、全員が全員俺みたいになるとほんと困る。セックスできなくなるし(笑) 常に競争率を低くしないとね。
アドバイスねぇ、「無条件には手を差し伸べない」やりたいんだけど、頑張っているんだけど、次の一歩がわかんない…という人なら手を差し伸べるけど、 全部が全部甘えんな!と。ファッション業界には、自分たちじゃ何も出来ないから、国の金使ってやりたい!というクリエーターを海外に連れてっているが、全く意味がない。俺たちを見ろ!と。全部自分たちでやって、つたない英語で海外の展示会行ったりして。自力でここまでいってる会社にお金を使え!と。カッコばかりつけてて、斜に構えている奴らに、お金使ったってなんのプラスにもならない。ある程度、自力で頑張っている奴らには、手を差し伸べるけど、「全部受け身で用意されたらやります!の奴は、一生モテなくていい!生命力がある奴に手を差し伸べる。」それが、さらに倍になる。行けー!ブォーーンッ!みたいな。
―― : 最後にMTRLの読者含め、10代〜20代全ての若者に対して、一言メッセージをお願いします!
石川 : 「俺より!!若くて!!モテる奴は!!徹底的に潰す!!!」
―― : かしこまりました。
本日は有難うございました!
3週にわたってお届けしたVANQUISH石川 涼のインタビュー企画。
業界の異端児と呼ばれる彼の魅力が余すところなく伝わったのではないでしょうか。
今後も引き続き、彼の活躍から目が離せない。
【石川涼 連載】『ただヤりたいだけ。』も大好評公開中!
◼︎インタビューアーカイブ
前編:うるさい大人は完全無視!業界の異端児「石川涼」の見つめる変化の向こう側
中編:「ファッション業界を席巻する異端児、石川涼」を生んだ青年時代とは。
【脚注】
ルーチンワーク(※1):日々の決まりきった仕事。
「The rule of play boy」(※2):2013年11月にTwitter上で爆発的な拡散をされ、話題の石川涼が考案した「ヤリチンルール」
タグライン(※3):企業のロゴマークや企業名に隣接して書かれている言葉のこと。
WEAR(※4): 人気ブランドやトレンドアイテムの着こなしが探せる日本最大級のファッションコーディネートサイト。
ロールモデル(※5) : 模範。手本。
◼︎編集後記
2004年から渋谷の最先端のファッションシーンを牽引し続けている「石川 涼」彼が、男女問わず多くの若者を魅了するのは、肩に力を入れずに常に自然体でいること。そしてどれだけ周りから否定されようと、周りの目を気にせず自分の中での確固たる軸をブラさずに、腹で物を言う強さにある。それは、「伝説のヤリチン」と云われた少年時代の貪欲、勝気な彼の基礎をつくり上げた父の存在が大きい。今回はそんなルーツを垣間見れた気がした。柔軟性を持ち、今の時代に即したコンテンツ、商品をつくり次から次へと世の中に「感動」を送り届けている。現役生活25年、業界屈指のプレーボーイ「石川涼」の今後の活動が楽しみで仕方がない。