

たしか去年の冬より寒い冬になるってニュースで言ってたなぁ・・・。
約束の時間から、もう2時間も待ちぼうけ。
どこかで分かってるんだ、私が一番じゃないことくらい。

それなりに恋愛はしてきたつもりだけど、いつもこうなっちゃう。
私はただ一緒にいられるだけでいいのに・・・。
私の名前は陽菜(ひな)、都内の女子大に通う大学2年生。
女子大の私の周りにいる男の子といえば・・・

バイト先のあの地味な先輩のみ。私のキラキラクリスマスが(泣)

明日も朝からバイトだし帰ろっと。

あ〜・・・ どこかにかっこよくて、爽やかで、私よりも背が高くて、笑顔が・・・


キー!!!!!
「危ない!!」



「大丈夫? ケガはない?」

ーー王子様、いた・・・!
「ちゃんと前見て歩くんだよ」

えっ、あなたの名前は?
「・・・。」

—–翌日

昨日の王子様って夢なのかな。あんな人いるわけないか・・・。
はあーあ、どっかにいい出会いないかなぁ。

友達に教えてもらったマッチングアプリ「CROSS ME(クロスミー)」でも使ってみよっと。
大学の友達もこれで彼氏できたって言ってたし。
アプリを使っている人とすれ違うと、その人が表示されるんだよね。

まぁでもそんなに上手くいくわけ・・・
えっ!!!

広斗? これって昨日の!

どこ!? 私の王子様!!

って、地味なバイトの先輩しかいないし・・・。
私の王子様はこんなんじゃない!泣
この先輩いつもいるけど、ちゃんと話した事ないなぁ。
橘さんって言ったっけな。たしかS学院大学の大学院生だったよな。

王子様のことでバイトに身が入らない私はミスばっかり・・・

客:「こんなもん注文してねぇよ!!」
陽菜:「申し訳ございません」

先輩:「いいから、ここは俺に任せて」

先輩:「申し訳ございませんでした。すぐにお取り替えいたします」

陽菜:「橘先輩、今日はすみませんでした」
先輩:「気にすることないよ、なんか考え事でもしてたの?」
陽菜「すみません、ボーっとしてしまって・・・」
先輩「なんかあったらいつでも言いなね」
そういえば、橘先輩と帰るの初めてだな。
本当はすごく頼れる人なのかも・・・。

——冬休みに入り、バイト漬けの日々が始まった。

陽菜:「どうしよう、グラス乗せ過ぎちゃった。うぅ、重い・・・」
先輩:「危ない!!!」

先輩:「大丈夫、俺やっとくから」
この声・・・この腕・・・
なんかこんなこと前にも・・・
もしかしてこれってあの時の・・・?

客:「橘くん最近どう? 建築の勉強はかどってる?」
先輩:「いや〜最近なかなか集中力なくて」
常連のお客さんと仲良く喋る橘先輩。
私にはあんな笑顔見せてくれないなぁ・・・。

なんか楽しそうに話している先輩に嫉妬してる自分がいる。
って私どうしちゃったんだろ。
(私も先輩と話したいな、今日は私から話しかけてみようかな)

陽菜:「お疲れ様です! もしよかったら駅まで一緒に帰りませんか?」
先輩:「お、おう」
陽菜:「先輩って彼女いるんですか?」
先輩:「いや、いないけど」
陽菜:「けど?」
先輩「好きな人はいるよ。陽菜ちゃんは?」
陽菜:「私は、実は今気になっている人が2人いるんですけど・・・。でもどこかその2人が重なるんですよね。見た目も違って同じ人なわけないのに、どっちも私がピンチのと気に助けてくれるっていうか…。
すみません、なんか変なこと言っちゃって」
先輩:・・・。
陽菜:(やばい気まずくなっちゃった。何か喋らないと。汗)
「もうすぐクリスマスですね。友達がインスタであげてたんですけど、恵比寿のクリスマスツリーがすごく綺麗なんですよ!」

先輩:「知ってる! すごく綺麗だよね」
陽菜:笑ってくれた!!(良かったぁ)
「よくドラマで観てた場所だから、行ってみたいんですよね!」
先輩:「行きたいね・・・」
——次の週のバイトの日

あれ?

橘先輩がいない。風邪でも引いたのかな〜

店長、橘先輩って今日はいないんですか?

店長:「あぁ広斗なら昨日で辞めたよ。あいつ来月から建築の勉強しにロンドンへ留学行くからさ」
陽菜:「えっ、留学ですか!? っていうか名前、広斗? それって・・・」
ーー橘広斗・・・。やっぱりあの時助けてくれた王子様は、橘先輩だったんだ。

どんな姿でも私は、いつも助けてくれるヒーローみたいな先輩のことが好き・・・。

送っちゃった・・・。
——12月24日


わ〜カップルばっかり・・・
来てくれるわけ・・・ないよね。

!!!

陽菜:「先輩、来てくれたんですね」
広斗:「よく俺って分かったね」
陽菜:「当たり前じゃないですか! どんな格好をしていても先輩は私をいつも助けてくれますもん! でも、なんでバイト中は地味な格好なんですか? こんなに王子様みたいなのに・・・」
広斗:「全然王子なんかじゃないよ。でも、昔から見た目だけで判断されやすいから、中身を見てもらえる恋愛に憧れていて」

広斗:「あ、ごめん。寒かったよね。これでも巻いて」

陽菜:「先輩はいつもいつも優しい。私はそんな先輩だから好きに・・・」

広斗:「待って。その先は俺に言わせて」

広斗:「俺ずっと陽菜のこと好きだったんだ。付き合ってください」

陽菜:「はい・・・」

人で溢れるこの場所も、ふたりだけをそっと照らしている様。
——すれ違いから、あなたにもイルミネーションよりも輝く愛が生まれるかも?
すれ違いを恋のきかっけにするアプリ「CROSS ME(クロスミー)」
■公式Twitter
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■公式サイト
https://crossme.jp/
※ストーリーには一部実際のアプリ仕様とは異なる部分がございます
■撮影
テラウチギョウ
■撮影協力
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