――: WHITE JAM(以下:WJ)の新曲「ダイナミックサマー」について。『夏なんて』は非リア充へ向けた曲だったかと思います。今作はどちらかというとリア充に向けた曲となっていますよね。
『夏なんて』
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SHIROSE : 前作をつくった去年がどこにも行けない人に向けて部活、仕事頑張っている人の青春!っていう感じで作りました。自分もそのうちのひとりだった。で、今年は弾けよう!そんな意気込みを込めた歌になっています。
――: 僕たち世代(28歳)には「KICK THE CAN CREW」はとても響きました。
コラボの経緯などを聞かせてください。
SHIROSE : 夏の代名詞・盛り上がるキーワードといえば何かと考えて、リスペクトの意味も込めてですね。もともとは遊びでつくっていたんです。サンプリングで色々作っていくつかを残し削っていった感じですね。そしてキック、リップ、ジブラ、全てご本人さまから奇跡的に許諾がおりました。
――: Zeebraはどんな曲をイメージしていましたか?
SHIROSE :Zeebraは『Grateful Days』とかをイメージしていましたね。
Dragon Ashとのコラボで一世風靡した名曲「Grateful Days」
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SHIROSE : シロセ調べだと70%以上は、夏に海にも山にもいかないらしいんです。
子供も外で遊ばなくなって、インドアになっていますし。中学高校のときに思ったんですけど、湘南の風のようなリア充向けの曲にあるが、非リア向けの曲はないなぁと思って… 非リア充のみんなも「今年は調子乗ろうかぁ!」という曲を作りたいなと思いまして。『ダイナミックサマー』は、非リア充向けの『夏なんて』の続編のようになっています!
今回サンプリングした2000年代の名曲!KICK THE CAN CREW『マルシェ』
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――: この曲がみんなのテーマソングになればいいですね!
SHIROSE : 非リア充を集めてパーティーしてそれをPVにしようかななと思ってます。
――: じゃあMTRL率いるリア充軍団を引き連れて、邪魔しに行きますね(笑)
――: 童貞ヒーロー含めて、陰キャラの味方でいるイメージがあるんですけど、SHIROSEさんがそうだったからですか?
SHIROSE : 完全にそうですね。出身が京都の宇治っていうところなんですけど、毎年「京都大作戦」という野外フェスがいつも陸上の練習をしている広場であって、その時はそこで陸上の練習ができないんです。それで近くを走っていると、生唄で湘南の風が聴こえてきたりして、フラストレーションが溜まって、日記を書いてたんです。実は、中2の冬から大学1年まで毎日日記を書いていて何時に何を考えて何を食べて…とか全部分かるんです。そういう日記を元に曲を作ったりもしますね。
――: なるほど。過去の陰キャラだった自分と陰キャラの人たちを重ね合わせて、伝わりやすいメッセージになっているということですね。
SHIROSE : 自分みたいなやつに届けばいいと思ってます。というか曲を書いているうちに、結果そういう方向(どこか陰キャラ向け)になるんですよね(笑)
――: そうすると今回の新曲「ダイナミックサマー」は新鮮ですよね。
SHIROSE : そうですね。徐々にレベルアップしてきていますね。
――: 凄いですね。ファンもそこに一緒に乗っかる!って感じですね。
SHIROSE : これは面白い話なんですけど、陰キャラも陰キャラのコミュニティというものがあって、クラスでハミっているもの同士で芽生えているものがあるんです。そいつらが集まるとパワーが半端ないんですよ!俺らなにか成し遂げようと。それで、陰キャラの奴をいっぱい集めて陸上部をつくったんです。ヤンキーだったり、いじめられていた子を集めて同好会みたいな感じで。
それで何ヶ月か経過したときに、俺たち変わらなきゃいけないと気づいたんです。そこから本気でトレーニングで重ね、なんと1年間にはジュニアオリンピックに出場できた。中学時代はそんなサクセスストーリーを過ごしました!そこからというもの周りの人達が陰キャラを見る目がかわりましたね。陰キャラって凄いんですよ。
集まると一致団結して、成し遂げる凄いパワーを出せるんです。それに似たエネルギーを新曲「ダイナミックサマー」には感じますね!いつか陰キャラこそが世界を変えてしまうんじゃないでしょうか。
陰キャラって集まると一致団結して、成し遂げる凄いパワーを出せるんです。それに似たエネルギーを新曲「ダイナミックサマー」には感じますね!
「非リア充軍団」を率いて陸上で全国大会に出場した経験は今のSHIROSEの曲作りにも反映されているようだ。
注目のWJ新曲『ダイナミックサマー』
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――: 今の話は、WHITE JAM LIVE TOUR 2015 『アンダーグラウンド』のLIVEの感じに似てますね。
SHIROSE : あのLIVEは童貞ヒーローがテーマで、背景として最近の戦隊モノが終了してて、ヒーローが不在の状況で、悪ってなんなの?っていう世の中に対して、今のヒーローの姿とは?という疑問からの「童貞ヒーロー」なんですよね。
――: 話は変わり、WJはいつも非リア充の味方!というイメージですが、本人たちは「リア充」or「非リア充」どちらですか?
SHIROSE : ずっと休みがないですね…
1日6時間ストレッチしているんですよ。
次回のライブでやりたい関節技があって、それをやるために毎日欠かさずストレッチしています。それで忙しいですね。
――: ・・・なんのためにストレッチしているんですか?
SHIROSE : 関節を外さないといけなくて。
――: じゃあSHIROSEさんはリア充ですね。(笑)
――: 「ダイナミックサマー」の中で一番好きなフレーズ。一番好きな歌詞を教えてください。
SHIROSE : 二つあって、一つ目が「小学生がアプリつくって、世界が変わる時代。」そこの歌詞はもともと「大学生がサイトつくって、世界が変わる時代」だったんです。俺らの時代は何かネット上でサービスをつくって世界を変えるのは大学生だった、それが今小学生になっている。とんでもないなと。
そんな世の中で、俺らは一日一日なにをするか?楽しめ!みたいな。そこが一番好きな歌詞ですね。もう一つは「遊んでほうけろ四十連休、あっとゆう間の夏休み。また今日が終わったら三百日は夏が来ないぜ!」なんか懐かしくなるというか学生時代の記憶を呼び起こされる気がしますね。
今の世の中を冷静に分析しつつ、分かりやすいメッセージを届けSHIROSE。
――: フルバージョンはどんな歌詞が続くんですか?
SHIROSE : そこからは、車乗りながら海に行こうぜ!っていう感じになっている。夏の代名詞としてあげるとすれば、「深夜のコンビニ前」「ドンキ前集合」「クオリティ低いギャル男」というワードが出てくる。
コンビニ前でクオリティの低いギャル男と話していたら、「夏休みは初めは天国、あとは地獄」と言われたっていうストーリーですね。
――: SHIROSEさん個人的には、この夏をどんな夏にしたいですか?
SHIROSE : 今年の夏中にとにかく体を柔らかくしたいですね(笑)足の関節も外せるくらい柔軟な夏にしたいですね。大人になると、頭がかたくなる。ただ赤ちゃんは、頭が柔らかいのでその時のように戻れたらなと。
――: WJとしては、この夏をどんな夏にしたいですか?
SHIROSE : 『ダイナミックサマーツアー』があるので、全国各地の皆さんに届けていきたいなと思っています。
――: それでは最後に、MTRL読者の皆さんにメッセージを!
SHIROSE : この世の中は……(不適切なコメントにより、削除されました。)
お決まりのフレーズで締めようとしたSHIROSEでしたが、割愛させていただきます。
――: 笑…. 仕切り直して、メッセージをお願いします。
SHIROSE : 男は、思春期を経て大失敗をすることもある。自分も失敗気質で、20歳くらいでホームレスになり、人の家に行ってパソコンの充電をさせてもらっている日々があった。そんな自分も会社を持って好きな音楽ができている。だからみんなも失敗を恐れずに頑張って欲しいなと思います!
―― : 本日は、ありがとうございました。
◼︎プロフィール
リーダーSHIROSE(シンガー)率いる、GASHIMA(ラッパー)、NIKKI(シンガー)の3人組。2014年にユニバーサルシグマよりメジャー・デビュー。
シングル「ウソツキ」はiTunes総合アルバム・チャートで堂々の1位を獲得。
同曲は自身の体験談をもとにインディーズ時代つくられた曲だが、予算数万で制作したMVがノンプロモーションにもかかわらずYouTubeで400万回再生され、泣ける曲の代表入りを果たした。他にも実話をもとにした映像作品の数々がYouTube, Twitterなどで話題となっている。
2014年11月には初のメジャーフルアルバム「自由時間」が発売され、2015年8月にはNEWアルバム「ときどきヒーロー」が発売予定の今最も勢いのあるミュージシャンのうちの1組である。
オフィシャルHPhttp://whitejam.net
SHIROSE Twitter@WJF_SHIROSE
◼︎編集後記
親しみやすい京都弁でユーモアを織り交ぜながら語るリーダーSHIROSEのトークは実に軽快で楽しい時間が過ぎる。ミュージシャンとしてだけでなく、プロデューサーとしてもレコード大賞企画賞を受賞するなど、数々の名曲を世に送り出しているマルチな才能を持つSHIROSEのルーツは、自らの「非リア充」で「失敗ばかりの青年時代」にあった。それでも決してあきらめることなく、ストイックに自らが求める音楽像を次々とカタチにしていく彼の姿は、多くの「非リア充」に勇気を与えることだろう。永遠の「非リア充」の応援団長、WJリーダーSHIROSEの今後の活躍に目が離せない。
■WHITE JAM ワンマンツアー2015
WHITE JAMから待望のワンマンツアーのお知らせ!編集部もWJのライブには数回足を運びましたが、圧倒的にライブがたのしい!コミカルな演出、弾ける元気なアゲ歌とバラードのコントラストがヤバイ!感動の想い出になること間違いナシです!