--あなたの友だちは、あなたに言えないことで、悩んでいるかもしれない。
MTRL読者は、10月11日がカミングアウトデーであることを知っているだろうか? カミングアウトデーは、自分がレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)などであることをカミングアウト(周囲に表明)した人々を祝い、周囲の人々の認識向上を目的とした記念日だ。
世界中でお祝いのイベントがおこなわれるカミングアウトデーを前に、MTRL編集部では、MTRL世代のLGBTがどのくらいカミングアウトしているのか、また、渋谷区の同性パートナー条例成立のような動きをどう思っているのかを調査する街頭インタビューを、LGBTの識者の監修のもと実施した。
調査に協力してくれたのは合計10人、19〜28歳の男性で性的指向はゲイ。調査は休日夜の新宿二丁目の路上で実施した。今回は、そのうち6人を抽出してご紹介する。カミングアウトしているLGBTが周囲にいない人、LGBTのことをよく知らないという人は、ぜひ同世代のリアルな声を聞いてほしい。
--:カミングアウトして、相手との関係は変化したか。していなければ、いずれカミングアウトする予定はあるか。
わたしはしてる方です。ゲイであることを自覚したのは、もう、生まれつきです。幼稚園ぐらいかな、物心がついたときには同性が好きでした。最初にカムアウトしたのは中学時代で、好きだった男の子に告白しました。
カミングアウトは友だちオンリーです。親には言っていません。ストレートの友だちですが、関係性は変わりませんでした。「なんとなくわかってた」と言われました。
仲のいい友だちと兄にしています。中学で男子校に入って、先輩に好意を持ったのがきっかけです。大学生で初めて友だちにカミングアウトをして、関係は変わりませんでした。むしろ仲良くなった。「言ってくれてありがとう」って。
むかしは言う必要がないと思っていたんですが、いまは自分のことをわかってほしいです。それで去っていく人は去っていく人だから、残ってくれる人がいればいい。幸い、友だちはたくさんいます。
自分の交友関係の範囲でしています。親にはしていません。中3のときに、たまたまドキドキしたのが男の子だったんです、それまでは女の子だったのに。高校生になって、友だちにカミングアウトをしました。
ウソをついたりするわけではなかったけど、やっぱり好きな女子の話とかで話が止まることがあって、それはなくなるので。カミングアウトをして楽になりました。
僕はまったくしてないです(一緒にいたゲイの友だち「そうなんだ?!」と驚く)。中学生になったくらいでしょうか、自分の好みが普通だと思ってたのが、違うんだなとわかりました。
いずれカミングアウトしたいとも思っていません。というよりは、考えないようにしています。考えても答えがないから、時間がもったいないと思って。カミングアウトをしていないことで、ふつうの人と変わらない生活ができているので。
カミングアウトは一切していないです。ゲイであることは高校で自覚しました。それまでは「興味ある」くらいだったのですが、はっきりわかったのは友だちとじゃれあってて、「あー」って感じでした。
カミングアウトは、別にしてもいいんですけど。していない理由もなんとなくだけど、世間体的なものはあるかな。自分を抑えているので、カミングアウトしたほうがオープンにできるとは思いますが、まあ、自分がしたいときにすればいいかな。
両親は知ってるっぽいです。カミングアウトはしていないし、したくないです。誰でもやたらめったらした方がいいというものでもないので。カミングアウトには、とくにメリットがなければ、デメリットもないと思っています。
このように、カミングアウトひとつとっても、LGBTの方のうちの一部さえ意見はさまざま、ひとくくりにはできないことがわかる。
したほうがいいともしないほうがいいとも一概に言えないことを、そもそもわかっていない人が多かったのではないだろうか。
【街頭インタビュー!】MTRL世代 LGBTのリアル:後編
https://mtrl.tokyo/interview/15418