<前回の内容>
『日本は三代目J Soul ◯rothers! アメリカと中国の権力争いはまるで芸能界』
トシキ:そもそも、なんでこんな面倒なことになったんですか?
おときた議員(以下おときた):中国が強くなり過ぎたのがいちばん大きな理由かな。実は日米安全保障条約は1960年にも改定されているんだけど、そのときも安保闘争と言って、キミたちのおじいさんくらいの世代が同じように激しい議論をしたことがある。
レン:へえ、おじいちゃんが。やるな〜!
おときた:そのときも、反対派は「アメリカ側に付くと戦争になる」と主張した。でも、あくまで結果としてだけど、この50年で戦争にはならなかったよね。どちらが現実的に無難か、誰も正しいところはわからないから、今回も判断が難しいんだ。
トシキ:じゃあ、今回も結局なにもなかった、ってことがありえるんですか?
おときた:あり得る。けど、今回はわりと緊迫した状況だったんだ。何かある度に「別れる」「別れる」って言ってくる彼女が、どうやらマジで別れたいらしい、みたいな。
レン:それで日本の中で賛成派と反対派がぶつかってるのか。
おときた:そう、「アメリカ側に付かないと戦争になる」「アメリカ側に付くと戦争になる」と、おたがいに非難し合っている。繰り返すけど、本当はどっちのほうが戦争にならないかの議論なのに。
トシキ:自分が正しいって言うために、相手を悪く言ってるんですね、、
おときた:そうそう、これも恋愛みたいなもの。現状はどっちも加熱しすぎていて、どうしても付き合いたい女の子に「俺と付き合わないと不幸になるぞ」「アイツと付き合うと浮気とかDVとかされるぞ」って言っちゃう感じに似てるかもしれない。
トシキ:盛り上がってるときってやり過ぎちゃうんですよね。
レン:LINE、たくさん送っちゃったり、夜中にポエム書いちゃったり。
おときた:うん、もうすぐ卒業式だからって思い込んで、冷静じゃなくなってる。卒業してみれば「なんだ別にいつでも連絡できるし、女の子は他にいくらでもいるじゃん」って気付くみたいな。
トシキ:あんなにデモして、なにか変わるんですか?
おときた:というよりも、賛成派も反対派も、どっちも変えないために戦っているんだと思う。でも、じゃあ女の子とデートをするときに、遊園地とショッピングのどっちが上手くいくかって、やってみないとわからないでしょう。
レン:感情で言い争っても仕方ないですよね。
おときた:敵とか悪者がいて、そいつを倒すストーリーじゃない。だからここまでこじれてしまったんだ。もちろん「やってみなきゃわからない」で済ませるわけには行かないから、どちらがいいか冷静に議論をすることが必要だよね。それがいま、国会で行われている。
トシキ:でも、日本は戦争できないですよね? もしものときって、大丈夫なんですか?
おときた:それを日本は、憲法の解釈を変えることでなんとかしてきた。憲法では軍隊を持たないことが定められているけど、現状では攻撃されたら防御をしていい自分ルールを作っている。
レン:自分ルールなら、なんでもアリになっちゃいませんか?
おときた:そう、たとえば「浮気はダメ」って約束したとするよね。
トシキ:また恋愛(笑)
おときた:じゃあ、どこまでが浮気だろう? 手をつなぐ、キス、セックス、って人それぞれかもしれないけど、どこまでが浮気かの線引きをするのが、この解釈を変えるということだ。
レン:今のままでも戦争に参加できるってことか、、
おときた:安保法案では、「日本が危険になったら攻撃していい」と定められているんだけど。
トシキ:じゃあ危害ってどこまで?とか、めんどくさいっすね。人それぞれだからまとまらない。
おときた:だんだん安保法案のことがわかってきたね!
トシキ:俺たちにできることってあるんでしょうか。
おときた:何よりも選挙に行くこと。二人は今いくつ?
レン:20歳です!
トシキ:21歳です!
おときた:じゃあ、もう有権者として政治に参加できる年齢だよね。
レン:そうか……政治って他人事だと思ってた……
トシキ:でも、選挙って誰に投票していいのかわからなくて。
おときた:現状では、有権者が自分から情報を取りに行かないと、手に入らない現状があるよね。これは政治の問題でもある。
レン:安保法案ひとつとっても賛成や反対がある中で、どうすれば自分なりに意見を持てるようになるんでしょうか。
おときた:まず、信頼できる人を見つける。その人の意見を軸に、反対の意見を探して、自分なりに全体像を掴んでいってほしいです。
トシキ:俺、まずおときた議員を軸にします!
おときた:ありがとう(笑) 他にも、親や学校の先生に聞いてみるのも参考になるはず。きっかけや入り口は何でもいいから、とにかく政治についての知識を身に付けよう。
レン:もう一回、教科書を読んでみようかな。
おときた:教科書も、新聞もおすすめ。どちらもたくさんの専門家がしっかりチェックして世に出している情報だから、信頼できる。逆に、個人から発信されている情報は、それが正確かどうか自分で判断しなければいけない。
トシキ:正確じゃない情報であーだこーだ言うの、童貞っぽくてイヤだな。
おときた:そういえば、童貞のときってどうやってエッチするかわかんないでしょう。政治も同じで、準備してないといざというときにどうすればいいかわかんないんです。みんな、政治童貞でいいのかよ? って思います。
トシキ:ヤバい、俺、童貞だったのか……
レン:俺も、童貞……
おときた:僕も20歳まで童貞でした。セックスよりも先に投票をした人間です。何かをはじめるのに、遅すぎることはありません。一緒に考えていきましょう!!!
トシキ・レン:(すごい説得力だ……!)
ということで、おときた議員に安保法案のことをいろいろ教えてもらいました!
すでに衆議院を通過した安保法案は、今月14日週にも参議院で可決される見通しだそうです。政治童貞って言われないように(笑)注目しておきましょう!
おときた駿
1983年9月21日北区王子本町生まれ。いなり幼稚園、北区立王子第二小学校卒の生粋の北区民。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
Twitter:@otokita
インタビュー / 今福歳生・伊藤蓮 企画 / 佐野恭平 執筆・編集 / 朽木誠一郎 衣装協力(おときた氏分)/VICE FAIRY