漫画好きの人ならたいてい1度は出くわしたことがある、読んでいた漫画の実写化。
この春もすでに公開している『坂道のアポロン』(原作:小玉ユキ)を始めとして『ちはやふる‐結び‐』(原作:末次由紀『ちはやふる』)、『曇天に笑う』(原作:唐々煙)など漫画を原作にした実写映画が多数公開予定です。
でも、実写化の報道があると、原作ファンからはたいてい賛否両論の声が上がりますよね。
そこで今回、ハイブリッド型総合書店「honto (ホント)」を運営する大日本印刷 (DNP)とDNPグループの書店およびトゥ・ディファクトが共同で漫画をよく読む10代~40代男女400名(男女それぞれ200名ずつ)を対象に、漫画の実写映画化に関する意見を調査したところ、ファンの複雑な本音が浮き彫りになりました。
<調査概要>
調査タイトル:「漫画の実写映画化に関する調査」
対象者:漫画をよく読む10代〜40代男女400名
※「漫画をよく読む」の基準について:「紙か電子媒体で月に1冊以上は単行本や雑誌などの漫画を買って読んでいる」もしくは「週に1回以上は漫画アプリで漫画を読んでいる」に該当した人に限定。
調査期間:2018年1月15日(月)~2018年1月16日(火)
調査方法:インターネット調査
「好きな漫画が実写映画化されると嬉しい?」という質問をしたところ、自分が好きな漫画が実写映画化されることに対して「嬉しくない」と思っている人の割合が男女共に、「嬉しい」と感じる人よりもわずかに多いことがわかりました。
好きな漫画の実写映画化が決まり、複雑な気持ちになる人が多いようです。
足を運ぶ理由1位は「原作が好きだから」。
好きな漫画が実写映画化されたときに、映画館まで見に行ったことがある人の割合は、男女それぞれ「ある」と答えた人が男性45.5%、女性46.0%と半数近くに上る一方、「ない」と答えた人が男性54.5%、女性54.0%と半数をやや上回りました。
実写映画化自体に複雑な気持ちを抱えていても、実際に映画館へ足を運ぶ人は一定数いることがわかりました。特に30代男性は、53.9%と全世代の中で最も多く「ある」と回答しています。
一方で、20代男性で「ある」と回答した人はわずか26.3%で、最も低い結果となりました。
さらに、映画館まで見に行った理由について尋ねたところ、男女共に最も多かった回答は「原作が好きだから」で、70%以上となりました。次いで、「キャストが原作のイメージに合っていたから」がこちらも男女共に2位という結果になりました。
また、「キャストに好きな俳優が出演していたから」という理由は女性の回答率が高い傾向にありました。
「映画館まで見に行ったことがある」と回答した人たちに、「実写映画化されたタイトルでよかった作品」を調べたところ、興行収入で好成績を収めた作品や、キャスティングの妙を評価されたもの、二部作・三部作と続けて公開された作品が並びました。
1位の『るろうに剣心』は、2012年8月に公開され興行収入30億円を記録した第一作に続き、2014年には続編(二部作)が発表され、全三作の累計興行収入は125億円を超えたといわれています。
佐藤健さん(主人公・緋村剣心役)をはじめ、神木隆之介さん(瀬田宗次郎役)、藤原竜也さん(志々雄真実役)などが、役柄の見事なハマりっぷりに高評価を得ており、本格的なアクションシーンも好評でした。
実写映画化した作品を映画館に見に行かない理由については、男女共に最も多かった回答は「原作の世界観と違うと感じたから」で、次いで「キャストが合わないと感じたから」が続きました。「地上波やDVDで見るので、映画館に行く必要はないから」という人たちも20%以上のいることに!
「漫画を実写映画化するときに大切にしてほしいことは?」という質問に対し、最も多かった回答は、男女共に「原作の世界観」となりました。
回答の理由としては、「漫画特有の世界観がとても大事だから」(44歳/男性)、「原作の雰囲気や設定を変えすぎて違和感があるケースが多い」(41歳/男性)、「原作を大事にしないと意味がないから」(31歳/女性)などの意見が。
次に多かったのが「原作のキャラクターのイメージに合ったキャスト」で、男性よりも女性のほうがキャストの選定を重視する傾向にありました。
「この作品こそ実写映画化してほしい!」と思う漫画についての問いには、1位に輝いたのは『ONE PIECE』でした。
ハリウッドで実写ドラマ化の予定はあるものの、日本ではまだ実写化されておらず、実写化希望の理由としては、「実写での戦い方がどうなるか楽しみだから」(39歳/男性)、「ストーリーが面白いから」(44歳/男性)などの意見がありました。
さらに、 「ルフィを菅田将暉に演じてほしい」(28歳/男性、35歳/男性)、「ナミを桐谷美玲に演じてほしい」(40歳/男性)などといった声も挙がりました。
上位作品を占めたのはすべて、2018年で創刊から50周年を迎える人気少年漫画誌『週刊少年ジャンプ』で連載されていたものとなり、多くの人に愛される漫画がジャンプ作品には多いことが、あらためてわかりました。
好きな漫画の実写映画化に対して、「そもそも漫画を実写化してほしくない」という断固拒否派もいる中で、好きな作品が実写映画化されたときは映画館まで見に行くファンも半数近く存在することがわかりました。ファンの関心は良くも悪くも強いと言えそうです。
特に、二次元だからこそ成立する漫画独自の世界観や、キャラクターを演じるキャストについては、こだわりを持つファンが多いようです。
2018年以降も実写映画化される漫画は数多くラインナップされています。気になるタイトルをhontoでチェックしてみてください。
※hontoアンケート調査レポート特設ページ:https://honto.jp/article/manga-jissha.html
ハイブリッド型総合書店「honto」について
「honto」は、ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂、啓林堂などのリアル書店を連携させた総合書店です。「読みたい本を、読みたいときに、読みたい形で」提供するサービスで、本を愛する人をサポートします。
2018年3月時点、honto会員は約440万人、honto.jpサイトと共通で利用できるhontoポイントのサービス導入書店は193店舗に広がっています。
≪ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト https://honto.jp/≫