こんにちは、ライターのいちじく舞です。
突然ですが実は私、銀座クラブで働いていたことがあるんですよ、二十歳のときに。
まあ、私の場合はマジモンのホステスを目指していたわけじゃなく、あくまで週3のアルバイトだったんですけどね。
銀座で働く前は「なんでわざわざ、おじさんたちはお喋りするためだけに、決して安くもないお金を銀座に落としていくんだ?税金対策?」と首をかしげてました。
でも実際、年齢不詳の美しいママやお姉さんを間近で見て接してみると「なるほど、通い続ける理由がここにある…」と合点がいったんですよね。
今回はそんな知られざる銀座クラブの内情を私が知ってる範囲でご紹介していきたいと思います!
※私が働いていたお店は小さいハコだったのでいわゆる「ザギンのTHE高級クラブギラギラエピソード」ではありません、あしからず。
これはキャバクラでもそうだと思うんですけど、女の子が接待するお店って「席代」が発生するんですよね。
お店に入って、席に座るだけで、ひとりウン千円〜ウン万円かかるんです。私の働いていたお店は席代が2万円でした。これは割と良心的なお値段。
この席代に加えて飲食代がかかります。ボトルは、焼酎の吉四六が1万、ウイスキーの山崎が2万〜(年代によって変わる)、ブランデーのヘネシーが4万だったはず。
ちなみに私が働いていた店のすぐ近くにある高級クラブは入って座るだけで10万円(×人数分)+飲食代。銀座の値段設定は天井知らず!
常連は役職でいうと課長クラス〜会長クラスと様々。
だいたい社長が部下を連れて来て、その部下がお店を気に入ったら通ってくれる、という流れが多かったと思います(社長は会社名でボトルを取っているので、部下は以前社長が買ったボトルを飲めたりする)。
お客さんのキャラクターはマナーをわきまえた上品な紳士か、オラオラ系やり手ビジネスマンのどちらかが多かった気が。
どちらにしろエネルギーが強い人種。そのパワーを内に秘めているか、外に放出しているかの違いというだけでバイタリティのある人たちがよく来てくれていました。
たとえ、リーズナブルなクラブであっても一度の来店で必ずウン万円以上は使うことになる銀座遊び。
1人2万も出せば、ホテルのディナービュッフェくらいは堪能できるはずなのに、なんで会話するためだけにお金を払うのか…。
それは、ママの「お客さんの肩書きを肩から降ろしてあげる会話力」にあると思います(お店はママのキャラクターによって売り方が違うので一概には言えないけど)。
と言うのも、常連メンツはほぼ役職者。会社でもそこそこ敬われ、ときに恐れられてる存在だったりするんですよね。
そんな中、ママは会社での肩書きを取っ払ってひとりのオトコとして「かわいい♡」という姿勢で接していました。多少なりとも去勢を貼って生きなくちゃいけない人が多かったから、全部脱げる場所があるのが嬉しかったのかも。
たまに叱られてデレデレ、ちょっと小馬鹿にされてデレデレ、絶妙なタイミングで褒められるとさらにデレデレ、みたいな。飴と鞭のバランスも上手。もちろん根っこにお客さんを尊敬する気持ちがあるから成り立つ信頼関係あってこそなんですけどね。
六本木のクラブでウェイするのもいいけど、働き出したら社会勉強の一環として上司に銀座のクラブに連れてってもらうのもオススメ。
男子でも目上のおじさんの転がし方のコツ、掴めちゃうかも。
■ライタープロフィール
いちじく舞
地下アイドル→銀座ホステス→モデルまがいの一般人→OLという散らかった経歴を経てフリーライターとして活動中。
過去、男性ファッション誌「samuraiELO」の恋愛ページを担当。
現在はWEBを中心に恋愛・グルメ・体験ルポ・エッセイなどのジャンルで執筆。