中高年が仕事帰りに立ち寄るイメージが強い「スナック」。しかし最近では若者の間でもじわじわとブームになっている。
そこで若者向けスナックのパイオニアとしてオープンしたのが、“20〜30代限定会員制スナック”『3 rd』。果たして一体どんな場所なのか? その全貌を調査しつつ、MTRL世代がスナックで楽しむ極意を学ぶ!
赤坂に今年10月にオープンした『3rd』。雑居ビルの一室で、いわゆるスナックらしいレトロさも感じる、こじんまりとした店構え。オーナーの山崎大輝さんに、『3rd』のことや、スナック文化について話を聞いた。
学生時代にDeNAにて社内起業、その後新卒でDeNAに入社、SHOWROOMへ出向しPMを務める。2019年に退職後、(株)YOLO代表取締役社長として、恋愛系Youtubeチャンネル運営、D2Cブランド立上げなど幅広く事業を展開中。『3rd』では、ハロウィン翌朝に主催した「ごみフェス」をきっかけに出会った、港区議会議員・横尾俊成さんと共同オーナーを務める。
元々クラウドファンディングで開店資金を調達したので、その時支援してくださった方と、その方達が連れてきてくださった方などです。現在会員数は400人ほど。会員の方は、3rdロゴ入りプラスチックコースターに名前を書いていただき、会員証代わりに使っていただきます。
オーナーの繋がりにより、広告系の方や、IT系、若手起業家、Youtuberなどエンタメ系の方が多く会員になってくださっています。20〜30代限定を謳っていますが、毎週火曜は「年齢フリーday」なので40代の方も会員にいらっしゃいます。
僕自身前職のDeNA(SHOWROOM)時代に、前田裕二社長にスナックに連れて行っていただいたのがきっかけで、スナックという場所の独特な空気感にドハマりしました。スナックって、ママとおしゃべりがしたい方もいれば、静かに1人で飲みたい方や、団体で盛り上がりたい方も……色々なお客さんがいて。その全員がお互いを尊重し合って、お客さんも含めて店を作っているんですよ。
ママが潰れると、お客さんがお酒を作っているスナックもありました。その何でもあり感も楽しいですし、他人同士だったお客さんがスナックで深い繋がりを持って、一体感が生まれるんですよ。その「仕事以外で他人と繋がる感覚」を若者世代でも再現出来たらと思ってオープンしました。
20代の僕がスナックに行くと、「スナックを体験しに来た若者」感がどうしてもぬぐえなくて。もちろん他のお客さんやママさんと仲良くさせていただくのですが、常連さんからしたら観光客のように感じてしまって、どこかこう自分のホームになりきらない部分があって。
スナックでの居心地の良さは温故知新的に残しつつ、近い世代だけが集まるお店にすれば、みんなのホームとしての居場所がより提供しやすいのではと思い、年代を若者向けにしています。あと世代が近いと、スナックで繋がったあとに、公使ともに有意義なご縁にも発展しやすいんですよね。
スナックには十人十色の楽しみ方があるので、他のお客さんを邪魔しないということが大切だと思います。例えば1人で飲んでいる方にダル絡みしないとか、ママに愛想良く接するとか、カラオケなど周りのお客さんと楽しむときは楽しむとか……。
ちなみにカラオケを歌う時の1テクニックとしては、そのお店のデンモクから履歴を見ることをおすすめします。常連さんの好きな曲や雰囲気などがわかるので。面倒くさいと思われるかもしれませんが、スナックではお客さんも店作りの一員。“場”への気遣いを忘れないことで、自分も含め、全員が気持ち良くお酒を楽しめるのです。
アリだと思います。もしお相手がスナック初心者だったとしたら、新しい世界を体験させてあげることもできますし、スナックでの振舞いを見せれば、「他人に気遣いできる性格」アピールにも繋がると思いますよ(笑)。場の空気を読んでスマートな行動ができる男性はモテそうですよね。
四谷三丁目、荒木町が面白いエリア。スナックや味のあるお店が並んでいる通りがあります。スタッフがお坊さんの『坊主バー』というお店もあり、そこはお酒が極楽浄土という名前だったりして面白いです(笑)。僕らの行きつけのスナックもあるのですが、ぜひ自分の足で探索してみることをおすすめします!
あとは、地方にもディープなスナックが多いので、旅行に行った際には現地の人におすすめのスナックを聞いたりして行ってみるのも楽しいと思いますよ。
オンラインでは味わえない、リアルの一期一会の出会いの醍醐味をきっと感じられて、良い思い出になります。
スナックで大人の階段を上り、新たな楽しみを見つけてはいかがだろうか?
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