5月15日、ネットとリアルの両軸で活躍する次世代型の”ハイブリッド”アーティストROOT FIVEのSTORY LIVE TOUR「序」〜舞闘絵巻〜が六本木EXシアターを皮切りにスタートした。
2015年10月、メンバーの蛇足が脱退し、まさに心機一転、名実ともに”新生”ROOT FIVEの幕開けにふさわしいツアーである。
今回のツアーの最大の見所は、ライヴと舞台が同時に進行する全く新しいエンターテイメントである。メンバーのひとりひとりが武器を用いた殺陣を披露し、同時多発的にステージの上で起こる出来事から目が離せない。
ステージはLIVEパートと舞台パートに分かれており、現在と過去が交差するストーリーがオーディエンスを平安の時代へ案内する。
オープニングは武将に扮したメンバーが登場し、今回のツアーのためにリーダーの駒沢浩人が作詞・作曲・編曲を手がけた『舞闘絵巻』のテーマソング「参乱〜MAIRAN〜」を披露。「和」「戦国」「武将」の要素がパフォーマンスに散りばめられた完成度の高いステージングで観客を魅了した。
続く2曲目は2ndアルバムより「Imaginations」。1曲目とは打って変わったポップチューンな伴奏の最中に、ホワイトカラーに身を包んだ衣装で登場。EDMを織り交ぜたアップテンポな楽曲に、会場を一体とさせる。
3曲目も2ndアルバムより「S」。エキゾチックにハイテンションな楽曲だ。陽気なメロディのなかでもどこか寂しげな響きを感じさせるラテンな曲調が特徴的だ。サビの「サディストなう」を上品に歌い上げるリーダーの駒沢らしい歌詞が、楽曲をより魅力的に感じさせる要因なのかもしれない。
間髪入れずに届ける4曲目はDVD『すーぱー SUMMER DAY’S STORY -祭りside- 』特典CDより「みらくるぶろう」だ。ダンスミュージックにふさわしいテンションで「アッハッハ」や「ねぇ!ねぇ!ねぇ!」といった煽りで会場を湧かせる。中盤の藤谷のラップによりオーディエンスを圧倒させた。
アットホームな空気感を漂わせるMCを挟み、5曲目は5thシングルより「純愛デリュージョン」。寂しげに歌い上げる原曲でもあるが、本ライヴのサビでは「言っちゃって」のフレーズでサイリウムの波を起こし、会場をさらに盛り上げるように、ポップに歌い上げた。
続く6曲目は1stアルバムより「いとしいひと」。純愛デリューション同様、歌のパート割が新たに構成されていたが、どちらも5人から4人になったことでの物足りなさは無かった。その彼らの「覚悟」が自然とオーディエンスに伝わったのか、会場には涙を流す人も続出していた。
7曲目はミニアルバムより「Tomorrow’s Dream」。「奇跡体験!アンビリーバボー(フジテレビ系)」のEDとしても起用されたヒット曲だ。中盤、メンバー全員が歌とダンスの上達振りを楽しむ表情をオーディエンスに見せつけた。スキルアップした彼らのエンターテイメント性はまさに本物だと確信せざるを得ないほどだ。
運動神経の話でメンバー同士をいじりあうMCを挟むと、新体制となり初披露となる新曲「Your Star」を披露。この楽曲はニューシングル『参乱 -MAIRAN-(初回限定版A)』のカップリング曲として収録されている。作曲は「桜ノ雨」「Fire◎Flower」などの神曲を生んだhalyosyが手がける。聞きそびれたファンはシングルの発売を楽しみにしていただきたい。
続く9曲目は7thシングルとなる「キミノミライ」。ハヤシケイ(絵師じゃないKEI)によるロックチューンな楽曲が会場を一体とさせる。「このままじゃ終われない」という歌詞は彼らの熱意に場内は悲鳴にも近いオーディエンスの声がフロアに上がりった。
LIVEパートのラストを飾ったのは彼らのデビューシングルである「MERRY GO ROUND」。4人になり生まれ変わったROOT FIVEの結束力と強い決意が感じられた。曲の間奏ではメンバーの藤谷が「俺たちが新生ROOT FIVEだ!」と煽る場面があり、ここから新たなROOT FIVEが動き出したのだと確信した。
歌のクオリティはもちろん、息ぴったりのダンス、目まぐるしく鮮やかに変化するフォーメーション。前回のツアー「乱」と比較しても、「惹きつけるパフォーマンス」は彼らの成長は明らかにしている。新体制になろうと、オーディエンスは”いつも通り”の掛け声で楽曲を盛り上げ続けるのだ。
“三種の神器を集める”ことを目的とした源義経(江川直樹)、鬼若丸(石城結真)、那須与一(駒沢浩人)、平清盛(藤谷慶太朗)の4人が登場する「源平合戦」が舞台とされている。
劇中では、今ツアーでの新曲とされる「Qne(ワン)」を始め、それぞれのキャラクターソングとされる楽曲を披露。また、それぞれのテーマカラーである黄=江川、青=駒沢、赤=石城、緑=藤谷のサイリウムにより会場が一色に染まるシーンも豊富だ。
より詳しいストーリーについては、「序」〜舞闘絵巻〜に足を運んで自信の目で確認しよう。その際はサイリウムを忘れないようにしておきたい。
アーティストと作り手と、そこに関わるすべての人と…。この舞台は全員の絆を再確認するために作られていた。なんて愛のある舞台なのだろうかと胸が熱くなった。
舞台パートのシーンが新生ROOT FIVEの新ビジュアルへと繋がる。布石が繋がった瞬間だった。そして本ライヴ最後の楽曲となったのは、ニューシングル『参乱 -MAIRAN-』のカップリング曲「パズル」だ。
彼らが去った後は拍手が鳴り止むことがなく、次第に手拍子に変わる。「ルーファイ!ルーファイ!」とコールに変わったところで再びマイクを手にした彼らが登場。アンコールに応えた。
アンコール1曲目は「ワンチャンス!!」を披露。「ワンチャン」のフレーズに合わせ、オーディエンスと一体となり掛け声が響き渡る。続くアンコール2曲目「ボク時々、勇者」では、メンバー4人が仲良く肩を組み合う姿がオーディエンスの笑顔を誘った。
なお、今回の公演はメンバーの江川の左目負傷による振替公演だったため、彼の反省と本公演での想いを語ってくれた。
江川:1月の件は、ご心配とご迷惑をおかけしました。でももう謝るのは辞めにしようと思います。待っていてくれて本当にありがとー! 1月31日のタイミングで、今回のライブと同じものをやっていたら、今日見えた景色とは違ったんじゃないかなと、そんなことを噛みしめながらやっていました。
(中省略)今日の公演は、すごく不安だった。怪我をすることが不安だったんじゃなくて、一回できなくなった(中断した)ことが今日本当にできるのかっていうことが。だけど、ステージに立って、みんなの顔をみて本当に安心した。これからもがんばるのでよろしくお願いします!
そして最後は終えたは記念撮影を実施。コードネームは「舞闘絵巻」だ。
本当に感謝!!!!
舞闘絵巻!!!#ルーファイツアー序 pic.twitter.com/6bL1OC8zu1— ROOTFIVE(ルート・ファイブ)公式 (@root5_official) 2016年5月15日
終演直後、ステージから戻った4人にライヴの感想を訊いた。
江川:内容はきっともっともっと詰められるんじゃないかなって、今日やってみて思いましたね。これは、やりきれなかった悔しさではなく、やってみての手応えが大きかったからこそ、もっと上を目指せるんじゃないかなっていう前向きな意味で。
とにかく、今出来るすべては出し切れたライヴだったんじゃないかなと思います。欲をいえば、まだまだ課題はあると思うけど、現状満足感しかないです。正直、自分の怪我で4人でのスタートの出ばなを挫いてしまったので、この日からのスタートはもう失敗出来ないというプレッシャーはかなり大きかったんです。不安だったし、心配だったし、正直、こうして無事に終わるまで怖くてしかたなかったんです。それもあって今、無事に初日を迎えることが出来て、こうしてやりきれたことに安堵してます。
メンバーももちろん、本当に支えてくれたファンのみんなやスタッフに感謝してます。
キャラクターソング「魂のシャウト」は、今回からダンスが付いて、刀を持ちながら歌っているんですけど、江川直樹ではなく、源義経として歌えたことが進化であり、本来の形でもあるので、ここからますます育てていけたらと思ってます。STORYLIVEというモノを、ROOT FIVEの1つの個性としていけるように、この先も、地に足をつけてしっかりと頑張ってきたいと思います。
藤谷:いやぁ、無事終りました。と言っても初日なわけですが、今、最高の気分です! 俺は今日、いままで生きて来た中で1番カッコよかった! そう言い切れるライヴが出来たと思います!
いやぁ、歌舞いてたね〜、今日の俺(笑)。やっと本当の意味で、『序』〜舞闘絵巻〜のスタートが切れましたね。実際、3月11日からのツアーでも4人体勢だったんですけど、今日のライヴの形が本来魅せたかった形でもあったので、やっと新しいスタートが切れたって思ってます。【全然いままでと違うROOT FIVE】が作れたと自信を持って言えるし、そんなステージを作れた自分たちを誇りに思うし、その瞬間に立ち合ってくれたみんなに改めて感謝してるし、支えてくれたスタッフにもすごく感謝してます。本当にありがとうございました。
キャラクターソング「Ruler」は、『乱』〜國盗草子〜のときにも藤谷慶太朗として歌ったんですけど、今回は平清盛として歌えたことで、よりこの歌本来の魅力を引き出せたと感じてます。本当に、“ここから新たなスタート”であるという手応えを改めて感じています。ここからの成長に是非期待していてほしいです。
石城:『序』〜舞闘絵巻〜、無事初日を終えることが出来ました。これが本来魅せたかった形であったわけですが、自分は演技というのが初めてだったので、7年ぶりにライヴ前に緊張しましたね。
オープニングにガッツリとコンセプチュアルな演出を魅せたこともあって、とにかく緊張したので、必死過ぎて、正直あんまり覚えてないです(笑)。それだけ夢中だったってことだと思います。1つ個人的に残念だったのは、初っ端でヘッドセットが緩んでしまうというアクシデントが起こって、声をマイクに拾わせるために必死に大きな声を出して歌ったので、早い段階で声を嗄らしてしまったんですよ。それもあって、それぞれの見せ場でもあったキャラクターソング「千の願い」を、完璧な状態で歌う事が出来なかったことが、すごく悔やまれますね。でも、4人でのステージは、何回も重ねた練習のときよりも、1回の本番の方が意思の疎通が出来ていたと感じられたのが、すごく嬉しかったです。
この先、ツアーで回を重ねるごとに成長していけるんだと思うと、楽しみでしかたないです。4人では、最高の形を初日で残せたと思うので、ここからは個人的に悔いを残すこと無くさらに頑張って、“今日以上の最高”を魅せていけるように頑張りたいと思います!
駒沢:「僕はそこまで緊張しなかったです。何を隠そう、昨日の練習で、途中、江川の着替えが間に合いそうにないということになり、急遽みーちゃん(石城結真)との掛け合いのアドリブを入れることになって、少々焦りはしたんですけど、練習では感じられない、お客さんが居てくれるからこその空気感で上手く表現出来たところもあったし、演技も自然とアドリブを加えることが出来たし、改めてライヴの持つ力を感じることが出来ました。
これまでのライヴとは違って、すごく練習も大変だったし、覚えることもたくさんあったんですけど、苦労した分だけ、こうしてライヴが終ったあとに大きな達成感が待っててくれるので、今は本当に喜びしかないですね。きっとビールが美味しいんだろうなぁ〜って(笑)。
「キャラクターソング「白黒メソドロジー」は、ロック系な他の3人とは違ったキャラを出せてたんじゃないかなと思いますね。ちょっと妖艶なイメージを差し込めたのも、いいアクセントになったなと、改めて思いました。あと、本当に久しぶりにやった「いとしいひと」も、4人になって歌ってみて、改めて、ここから4人で頑張っていくんだなって思えた瞬間にもなったので、この先も今日の気持ちを忘れずに、もっともっと成長していけたらいいなと思っています。どうぞこの先も、4人になって新たなスタートを切ったROOT FIVEをよろしくお願いします!
今回のツアーで受け取ったメッセージは、ここから先こそが彼らの本当の戦いであり、『参乱〜MAIRAN〜』は、その決意表明と宣戦布告である。今後のROOT FIVEの活躍から目が離せない。
New single「参乱 -MAIRAN-」
【ROOT FIVE】4人新シングル「参乱 -MAIRAN-」MV Short ver. (2:38) https://t.co/6NpAbIEB4O #sm28776328
— ROOTFIVE(ルート・ファイブ)公式 (@root5_official) 2016年5月5日
2016年6月8日(水)発売
■初回限定版A(CD+DVD)¥1800(税込)
[CD]
1.参乱-MAIRAN-
2.パズル
3.Your Star
4.参乱-MAIRAN- <instrumental>
5.パズル <instrumental>
6.Your Star <instrumental>
[DVD]
「参乱-MAIRAN-」MUSIC VIDEO+MAKING
■初回生産限定B(CD+DVD) 1,800円(税込)
[CD]
1.参乱 -MAIRAN-
2.パズル
3.参乱 -MAIRAN- <instrumental>
4.パズル <instrumental>
[DVD]
「ROOT FIVEのP旅~江戸慰安編~」 メンバープライベート映像
■通常盤(CD ONLY) 1,200円(税込)
[CD]
1.参乱 -MAIRAN-
2.パズル
3.江川直樹 / 石城結真ペア曲
4.藤谷慶太朗 / 駒沢浩人ペア曲
5.参乱 -MAIRAN- instrumental
6.パズル <instrumental>
※通常盤のみ
初回封入特典:トレーディングカード ランダム封入(絵柄、種類未定)
6月7日(火)18:00~ イオンレイクタウンmori 1F 木の広場
6月9日(木)18:00~ イオンモール土浦 専門店街 1F 花火ひろば
6月11日(土)13:00~/16:00~ アリオ八尾 1F レッドコート
6月12日(日)13:00~/16:00~ イオンモール木曽根 1F ノースコート
ROOT FIVE STORYLIVE 2016「序」~舞闘絵巻~
5月15日(日)EX THEATER ROPPONGI
6月10日(金)広島クアトロ
6月26日(日)名古屋ダイヤモンドホール
6月30日(木)大阪BIGCAT
7月9日(土)札幌PENNY LANE24
7月15日(金)福岡DRUM LOGOS
7月22日(金)仙台レンサ
7月24日(日)品川ステラボール(FINAL)
ROOT FIVE(ルートファイブ)(▲左から石城結真、江川直樹、駒沢浩人、藤谷慶太朗)
■公式Twitter
■ROOT FIVE オフィシャルサイト
■駒沢浩人 / koma’n
1992年6月16日生まれ。2008年ニコニコ動画への動画投稿を開始。
3歳からピアノを始め、楽曲のアレンジ/作曲も手がける。ピアノ奏者としても人気。
Twitter:@komankoman
■江川直樹 / ぽこた
1983年1月12日生まれ。2008年ニコニコ動画への動画投稿を開始。
歌い手として活動するほか、ミュージカル出演など幅広く活動。
Twitter:@pokotaegamyer
■石城結真 / みーちゃん
1988年3月9日生まれ。2009年ニコニコ動画への動画投稿を開始。
男らしい低音ボイスと可愛らしい性格とのギャップが人気を博す。
Twitter:@michan39
■藤谷慶太朗 / けったろ
1990年1月9日生まれ。2008年ニコニコ動画への動画投稿を開始。
フジテレビ系ドラマ「花ざかりの君たちへ」出演など俳優業もこなす。
Twitter:@kettar0
Photo: TAMAI SHINGO / 千田 俊明 / 高田真希子 / にしゆきみ