【鈴掛真】「セックスは付き合ってから」って、もうやめない？目からウロコの恋愛観

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

単刀直入に言おう。今回は『セックス』についての真面目なお話！
恋愛において避けては通れない行為であるセックス。最近いつ誰とベッドをともにしたか、みんな思い出してみよう。それは恋人だったり、恋人未満の関係だったり、ワンナイトの相手だったり…。もちろん、まだ誰とも経験のない青少年もいるかもしれないね。

そこで意見が分かれるのが『好きな人との初エッチはどのタイミングでするべきか』ということ。今回はこの問題について考えていこう。

というわけで、連載【ゲイだけど質問ある？】ぜひ最後まで読んでね！

気になるあの子と初エッチ、いつやる？

信じがたいことに、世界には、結婚前に性交渉を経験すると処刑される国がいまだに存在しています。
そうを考えると、結婚前はもちろん、恋愛関係になる前にセックスしても罪に問われることのない僕ら日本人は、随分と自由が認められた国に住んでいるわけです。

それなのに「ダメ！　やっぱりエッチは付き合ってから！」なんて、鋼鉄のパンティーを穿いている人が多いのも事実。
うら若き10代の諸君ならともかく、20代、30代になっても律儀にポリシーを守っている人たちに、僕は言いたい。

そのポリシー、なんのために守ってんの？って。

エッチで恥ずかしい姿を恋人にしか見せたくないから、という理由もあると思うけど、ほとんどは「その方が良しとされている風潮だから」じゃないでしょうか。
付き合うまでエッチしない方が清純だから？
付き合う前にエッチするなんてビッチだから？

では、そのポリシーがいかに非効率的かを考えてみましょう。

セックス、後回しにするべからず

原始的には、セックスとは『子どもをつくる行為』であるわけだけど、「子どもをつくるとき以外はセックスしない！」なんて決めている人はさすがに少ないはず。
子どもをつくる、つくらないに限らず、セックスはカップルの愛情を深める重要なコミュニケーションのひとつであることは、誰もが知っているところだよね。

そんな重要なコミュニケーションを、どうして後回しにするの？

パートナーとの良好な関係を末永く続けるためには、趣味の相性、食事の相性、価値観の相性などと同じように、セックスの相性も大切ですよね。
趣味や食事の相性は付き合う前に確かめるのに、どうしてセックスの相性は確かめないの？

「セックスを趣味や食事と同列で考えるなんてハレンチ！」と思うかもしれないけど、実際のところ、セックスの相性が悪いと、セックスレスや破局の原因になりえます。
他の相性はいいんだけど、付き合ってみたらセックスの相性が合わなかった…なんて経験、ありませんか？（僕は、ある。）

でも、さすがにそれを理由に別れを切り出すこともできず、本当は満足してないけど見て見ぬフリをして取り繕っているカップルが多いと思うんです。
きっとみんなにも身に覚えがあるんじゃないかな？

ゲイにとってのセックス観とは

僕がこのような考えにいたったのは、なにを隠そう『僕がゲイだから』ということが大きいと思います。

そもそも同性カップルは、子どもをつくることができません。
ゲイにとってのセックスは、妊娠・出産・育児などから逸脱した、カップルの愛情を深める重要なコミュニケーション“でしかない”わけです。

そのため「エッチは付き合ってから」なんてまどろっこしいことを考える必要はありません。多くのゲイが、気になる相手とデートする場合、食事や趣味の相性を確かめるのと同じように、早い段階でセックスの相性を確かめ合います。
セックスを特別視するのではなく、あくまでひとりの人間を判断する上でのひとつの要素として、至極冷静に捉えているのです。

だって実際、人間の本質は、一度くらい同じベッドで寝てみないとわからないもの。
デートでは「相性、最高！」と思ったのに、セックスしてみたら「もう二度と会いたくない…」なんて思ったこと、ありませんか？（僕は、ある。）

セックスは、儀式にあらず

まだ僕が誰とも夜を過ごしたことがなかった10代の頃、「セックスってどんなに素敵なものなんだろう…」と、まるで『大人になるための儀式』のように感じていました。

けれど、いろんな経験をして30代になった今では、はっきりとわかります。
セックスは儀式ではない。
聖なるものでもなんでもなく、単なる恋愛における一場面でしかないんです。

もったいぶったってメリットはありません。むしろ長期的な恋愛を望むのなら尚のこと、然るべきときにセックスの相性を確かめる必要があると、僕は思います。

もうすぐクリスマス。

気になるあの子をデートに誘って、性なる、じゃなかった、聖なる夜をいっしょに過ごしてみては？
おあとがよろしいようで。

【ゲイだけど質問ある？】中学校の先生になってゲイをカミングアウトした結果

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■ライタープロフィール

鈴掛真（すずかけ しん）
歌人。セオリーは「ポップスとしての短歌」。
著書に『好きと言えたらよかったのに。』（大和出版刊）がある。
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