ノンケはゲイの友達を作るべき?!【ゲイだけど質問ある？】鈴掛真

09 August 2017

前髪を
ずっと伸ばして
いたわけを
君にはぜったい
教えてあげない

こんにちは、歌人の鈴掛真です。5・7・5・7・7の短歌の作家です。

僕はオープンリー・ゲイとして、同性愛者であることを隠さず生活するようになって以来、ノンケの友達がたくさんできました。
ノンケとは『同性愛者じゃない人たち』を指すゲイ・スラング。
その気（け）が無い（none）…昔の人は上手いこと言ったもんだ。

同性愛が少しずつ認知されてきた近年。
今後は、僕のようなオープンリー・ゲイが、みんなの周りにも少しずつ増えていくことが予想されます。
そのときのために、ぜひみんなには「ゲイと友達になれるか」ということを考えてみてほしいんだ！
実は、ゲイと仲良くすることが今後の社会ではとても重要になってきます。
一体どういうことなのか。

というわけで連載【ゲイだけど質問ある？】、今回もいってみよう！

ゲイ　鈴掛

ゲイとノンケの知られざる関係とは

まずなんといっても、ゲイはノンケが大好き！！

ノンケ…それはゲイにとって、どれだけ手を伸ばしても届かない、まばゆい星のような存在…。
ノンケのことを英語では【straight（ストレート）】と表現するように、男性として女性を好きになって、結婚して、家族を養う、そんな『男としてのまっすぐさ、ひたむきさ』を魅力的に感じるわけです。

新宿二丁目などのゲイバーでは、“女性入店禁止、ノンケ男性歓迎！”なんて店もあるほど。ゲイ以外NG！　でもノンケの男はOK！　なんて、ちゃっかりしてるね…。

けれど実際、まだまだ同性愛への偏見が根強く残る中で、それを乗り越えて接してくれるノンケは、ゲイの目からはとても心の広い人として映ります。
もしノンケのみんなが「俺、同性愛に寛容なんだよね」なんて言った日には、ある日突然友達に呼び出されて「実は俺…ゲイなんだ…」なんて打ち明けられることがあるかもしれないね。

余談ですが、この『ゲイはノンケが好き』ということに目を付けて、ノンケなのにあえてゲイバーなどで働く男の子も最近はいるんです。

疑問に思う人も多いと思いますが、理由としては、ノンケというだけでたくさんの人がチヤホヤしてくれるし、すぐに人気が出るし、現実社会やSNSでは満たしきれない承認欲求をゲイが満たしてくれるから。さらに、もしかしたらホストクラブみたいに貢いでくれる客が現れるかもしれない…。
ノンケであることによって、男でありながらパパ活することも過言ではないかも（!?）

もちろん、そんな不純な気持ちじゃなく、純粋に飲食店のアルバイトとしてゲイバーを選んでいるノンケもいるはず。
そもそも、カフェやレストランで働くことと同じように、ゲイバーも飲食店で働くことの選択肢のひとつとすることが、差別や偏見の無い考え方だしね。

実際、どうして僕にはノンケの友達が多いんだろうと考えると、ノンケの友達は僕のことをゲイとして特別視していないように思います。
テレビやネットを見ているだけでは、どうしても「ゲイは普通じゃない人」「自分とは関係のない人」と感じてしまうよね。

でも、飲み会の場なんかで僕のようなオープンリー・ゲイに出会った友人たちは、「ゲイって普通に自分たちの周りにも存在するんだ！」と、いい意味でのカルチャーショックを受けたんだとか。
いっしょに食事したり、お酒を飲んだりしているうちに自然と仲良くなって、人と仲良くなるのにゲイもノンケも関係ないってことを、身をもって感じてくれたんだと思います。

世界を広げるもの。それは友情！

話は打って変わって、みんなは普段どんな音楽を聴く？

友達同士でお気に入りのミュージシャンを紹介し合ったことが、きっと誰にでもあるはず。
「あんまり得意じゃないな…」と思っていたジャンルだったのに、友達の影響でいつのまにか好きになってた、なんて経験もあるんじゃないかな。
逆に、元々は知り合い程度の関係だったのに、好きなアーティストが同じことがわかって、それをきっかけに仲良くなった友達もいるかもしれないね。

だから僕は、ぜひみんなに「ゲイの友達を作ってほしい」と思っています。

そう、自分の興味や関心は、友達の影響が大きく関わっています。
自分とは無縁だと思っていたものを繋げてくれる。友達にはそんな力があります。

「同性愛って理解できないな…」と感じる人も、もし自分の大親友が実は同性愛者だったらどうだろう。

「今まで自分とは関係ないと思っていたけど、少しは話を聞いてみようかな…」って気になるんじゃないかな。だって、友達だもん。

話を聞いてみれば、案外自分が思っているような難しいものじゃなく、男女の恋愛と大差ないことがきっと解るはず。
『友情』は、人脈を広げるだけじゃなく、自分の視野や世界を広げてくれる大切な存在なんです。

もしもみんなが、「友達に同性愛者がいても気にしないよ！」と思ったら、ぜひ声に出して表明してほしいんです。

その気持ちが、友情とともに広がれば、きっとたくさんの人の価値観が変わるはず。
そうして、異性愛者と同性愛者が、学校や会社で自然と仲良くできる時代がやって来ることを、僕は願っています。